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「資本家役人」から始まる“民主化”はどこへ行く

「金持ちが資金を出して村民が裕福になるよう先導する」と言うが…

2009年10月30日(金)

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 国営通信社「新華社」発行の全国紙「新華毎日電訊」は2009年9月12日付で“富人治村:一個値得関注的新現象(金持ちが村を治める:1つの注目すべき新現象)”という表題の興味深い記事を掲載した。

 「中国共産党は広範な人民の根本利益を代表する」と規定した「3つの代表論」は、2001年に江沢民によって提唱され、2002年には中国共産党規約に、2004年には中華人民共和国憲法に、それぞれ重要思想として明記された。

敵とされてきた資本家が公式に容認された

 中国で長年にわたって階級の敵とされてきた資本家は「広範な人民」に含まれると認定されことにより、中国共産党によって公式に容認されたのである。

 記事はその資本家たる“富人(金持ち)”が村を治めるということが新たな現象になっているとして次のように報じた。

 浙江省民政庁の統計によれば、現在浙江省の3分の2以上の村では、企業家、商工業者、養殖業者などの一般大衆に先んじて裕福になった人たちが村民委員会主任や村共産党支部書記(以下「村党支部書記」)になっている。

 その中の資産が1千万元(約1億3000万円)ないしは1億元(約13億円)以上の人は“老板村官(経営者村役人)”(注1)と呼ばれている。経済的実力が豊かな“富人”が村役人に就任した後に、村のために資金を出して村民たちが裕福になるように先導するという現象は議論を巻き起こしている。
(注1)“老板”は個人企業の経営者や商店主を指す。

 浙江省天台県(806年に唐から帰国した伝教大師最澄が日本に伝えた「天台宗」の発祥の地)平橋鎮西張村の村民である張和法は、村民委員会主任に当選した後、自腹で数十万元(300~400万円)を出して村のために道路を建設した。

 同時に、彼が持つ市場の株式の一部を100軒余りの村人たちに分け与えたのである。また、東陽市城東街道の斯村党支部書記の斯文斌は村内の事務用家具と事務用品の全費用を負担したという。


 ところで、「村民委員会」とは何か(注2)。1988年6月に試行を開始し、10年間の実地テストを経て、一部修正を加えて1998年11月に正式に施行となった「村民委員会組織法」に基づく、村民の選挙を通じて民主的に選出される村民の自治組織である。
(注2)ここで言う「村」とは“行政村”を指し、「郷」や「鎮」の下にある末端の行政組織。

彼らは村財政からの給与の支払いを必要としない

 「村民委員会組織法」の規定によれば、村民委員会は、主任1人、副主任1~3人、委員若干名から構成される。ただし、経済的に立ち遅れた地区の村民委員会では、主任1人、副主任兼治安委員1人、女性委員1人で構成されるのが通常である。

 村民委員会の構成員は民主的選挙により選出され、その任期は3年、再選可能と規定されている。村民委員会の構成員は地方自治機構に属するが、地方政府から給与の支払いを受けておらず、俸給は村民により決定されて村財政から支払われることになっている。

 このため、貧しい村では村民委員会の構成員がその職務に相応しい給与を受け取っていないのが通例で、主として自己の本業収入に頼って生活している者が大部分である。

 この結果、ますます多くの裕福な企業家などが村民委員会の選挙に立候補するようになっており、往々にして彼らは村財政からの給与の支払いを必要としないのである。

 さて、“富人治村”の記事に戻る。

 杭州市蕭山区の向公村共産党支部書記である傅月水は毎朝8時に事務所へ出勤する。彼は不動産会社を経営しているが、共産党支部書記に当選してからは、会社の日常管理を家族に任せ、一途に「村役人」の業務に精励し、週末すらも休まない。

 義烏市城西街道の七一村党支部書記の何徳興は自身が経営する運送会社を妻子に任せて毎日党支部に出勤しているし、給与は村の老人協会へ寄付している。


 ところが、彼ら2人のように村役人を専業としている者がいる一方で、兼業を選択して自分の企業を経営しながら一定の時間だけ村役場に出勤するという二足の草鞋(わらじ)を履く村役人もいる。

 浙江省民政庁の担当官は、これらの人たちがどんな形で村役人を担当しようとも、その背後にある動機は次の2つに分類されると語っている。

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「「資本家役人」から始まる“民主化”はどこへ行く」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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