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「高級車販売店」になる口利き料が1300万円

世界一「1000万台市場」の後ろ暗い流通事情

2009年11月2日(月)

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 欧州車A。中国では政府高官御用達の高級乗用車だ。2008年の販売台数は約11万台で、2005年の約2倍である。つまり、販売台数は年率20%を超えるペースで伸びている。高級乗用車市場ではトヨタ自動車のレクサスや独BMWを抜いてダントツのシェアを持つ。

高級車の販売権獲得には「天の声」も必要

 BMWを乗りまわしているのは、ただの金持ちだが、A車はちょっと違う。お金だけでなく、政府や党との人脈も持っている人、それがA車に乗る人のイメージだ。

 新車の販売(Sales)、純正部品の販売(Spareparts)、サービス・メンテナンス(Service)、市場調査(Survey)の4つの機能を持つ直販店を4S店という。

 メーカーのブランドの専売権をもつ新車販売のいわば「エリート店」。乗用車市場の拡大を背景に、4S店の経営に乗り出そうとする事業家は引きも切らない。

 最近、そのA車の4S店の申請書を見る機会があった。40ページにもわたるその申請書には、設立する市の経済概況、車の普及状況といった市場情報から、申請者の会社概要、事業計画、店舗の立地、経営理念など、自動車ディーラーとしての事業に関するあらゆることが記載されていた。

 出資者は車の修理会社だった。場所は山西省にある人口30万人の地方都市である。

 投資金額は、土地建物、設備の購入それに内装費用で2100万元(約2億8000万円)。敷地面積は1万6400平方メートル。従業員はメンテナンス要員も含め約70人。それに加え、運転資金が2000万元(約2億6000万円)。

 初年度の販売見込みは年間300台で、売上高にして約8000万元(約10億4000万円)。3年後は800台で2億元(約26億円)を目指すという。

土地の手当てから地方政府のさじ加減次第

 この申請書を見せてくれた北京の友人は言う。

 「お金があるだけでは4S店の権利は買えません。公式的には、その4S店が開店した地域で、新車がどれだけ売れるかという市場のポテンシャル、それと経営管理能力、ブランドに対するロイヤルティーということになっていますが、実際には『天の声』も重要です」

 A車の場合、販売本部が、どの地域にどれだけ出店するか毎年計画を立て、地区総代理店地方が4S店の1次審査を行う。例えば、ある地区で10店の新規出店を行う場合、その審査をまず地区総代理店が行い、「これは」という候補を本部に推薦する。

 それを本部が再審査したうえで最終的に決定される。ただ、地方レベルの4S店であれば、地区総代理店が実質的な裁量権をもっているといってよい。

 高級車ともなれば、利幅も大きい。A車ともなれば、政府からの確実な需要も見込める。冒頭の所有者に対するイメージもあるので、交通違反の取り締まりの手も緩みがちになるから、実業家の需要も高い。つまり、儲かる商売なのだ。儲かる商売には、投資家が群がる。

必要なのが有力者の後ろ盾と「口利き」

 それゆえに、審査のプロセスには「裏」がある。

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