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なんと日本が中国権力闘争の舞台に

大物政治家が相次ぎ訪日する理由。日本は「手柄」の草刈り場

2009年11月5日(木)

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 「この地区だけで3億ドルの直接投資!? こんな時期、いったいどの会社にそんな余裕があるんだ?」日系機械メーカーの本社経営企画室の中国担当部長はうめいた。

大物書記の訪日で奉加帳が回される

 この10月、広東省の日系企業に「奉加帳」が回された。背景にあるのが汪洋広東省共産党書記による11月4日からの訪日である。

 訪日の目的は、日本から広東省への投資誘致だ。次期中央政治局常務委員会入りが有望で、しかも共青団出身。胡錦濤国家首席の覚えもめでたい汪洋書記の訪日である。成果なし、というわけにはいかない。

 そこで、まず、省政府から省内の各都市に対し、日本からの投資額のノルマが割り当てられた。

 深センや珠海といった大都市なら、それぞれ2~3億ドルだという。広東省全体では数十億ドルになる。これを、汪洋書記の訪日に合わせて成約させろ、具体的には、日本で調印式をやれるようにしろ、というのだ。

 省政府の指示を受けた各都市の工業担当副市長や工商行政管理局、対外経済貿易委員会のスタッフは、日系企業を訪問し、新規投資や、再投資を勧奨した。勧奨というよりも「まず投資ありき」の姿勢だったともいわれる。

 現地からこの報告を受けた本社の中国担当部長の第一声が冒頭のうめきだった。

 無理もない。今や、中国経済の成長のエンジンは、広東省をはじめとする沿岸部ではなく、北京・天津・河北経済圏であり、内陸部だ。むしろ、珠江デルタや長江デルタ地域から、どのように製造拠点を再配置してゆくかが、日系企業の今後の課題になっている。

景気回復のショーアップに日本企業が利用される

 輸出加工型の企業の集積度の高い広東省は、中国全体の景気がV字回復している中、1~9月のGDP成長率(調整前、前年同期比)は4.4%にとどまり、全国平均を大きく下回っている。これに対し、天津は8.1%、北京が7.6%だ。ちなみに上海は2.9%である。

 だから、地元市政府も必死だ。6月には深セン市の市長が汚職容疑で更迭された。10月末には、同じ容疑で深セン市にある開発区の区長が逮捕。広東省内の有力都市のトップは戦々恐々としている。ノルマを達成しなければ、昇進はおろか、下手をすれば汚職容疑で更迭の憂き目を見ないとも限らない。

 その結果、投資実績を作りたい地元政府とムダな投資を避けたい日系企業による数合わせのための談合が始まった。

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