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インド小売業界に挑むノエル・タタ氏

控え目CEOはタタ・グループ後継者候補とも

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2009年11月11日(水)

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The Tortoise that Came in from the Cold

タタ・グループの小売部門であるトレントのCEO(最高経営責任者)を務めるノエル・タタ氏*(以下、ノエル氏)は、控え目な性格で、いつも地味な服装を装い、語り口もいつも穏やかだ。目立つことを嫌うだけあって、すぐに人混みに紛れ込むことができる。

*ノエル・タタは1957年生まれで、タタ・グループ総帥のラタン・タタ氏とは異母兄弟。タタ・グループの持ち株会社であるタタ・サンズの株式の18.5%を持つパロンジ・ミストリー(Pallonji Mistry)氏の娘を妻にしていることも あり、ラタン・タタ氏の有力な後継者として見られている。

 ノエル氏の最大の強みはその無名性だろう。だから自分の店にもさり気なく立ち寄っては、客の行動を観察し、それに基づいて販促戦略を変更したりする。大胆に、ライバル店にも躊躇することなく訪れ、店の長所や短所を見極め、それを参考にして自分の店の戦略を練り直したりもする。

 トレントは2008年、バンガロールのコラマンガラ地区にハイパーマーケット(郊外型の大型スーパー)「スターバザール」を出店する計画を進めていた。出店場所は競合が展開する同じ業態の店舗から約500ヤード(約450メートル)しか離れていなかった。

 しかも、そのライバル店の売り上げは絶好調で推移している、と噂されていた。ライバル店に足を運んだノエル氏は店に入った瞬間、その長所を把握した。清潔で、あらゆる商品が客の目を喜ばせるように陳列されていた。

 このライバル店が扱っていない商品で、トレントのスターバザールが提供できる商品はほとんどなかったが、ノエル氏はあるチャンスを店の外で発見した。ライバル店の駐車場は30台程度の駐車スペースしかなかった。

 そこでトレントは同地区にスターバザールを出店するに当たり駐車場は300台規模にした。今ではこの大型駐車場がスターバザールの最大の特長の1つとなっている。ノエル氏が得た教訓とは、「野菜や果物、肉、魚といった生鮮商品は、品質で差別化を図れるが、一般的な食料品や雑貨は多かれ少なかれ同じ商品を扱うことになる。従って差別化を図るには、顧客サービスや店の雰囲気、駐車場など買い物のしやすさを追求するほかない」。

 この教訓を生かした例が1例ある。バンガロールにある別の4階建ての競合ハイパーマーケットにも足を運んだノエル氏は、店内に入るやエスカレーターがなく、エレベーターが2台しかないことに気づいた。客は1階で買い物カートを使って買い物をし、買った物を1階に置いたまま上階へ移動していた。スターバザールでは全店舗にエスカレーターと動く歩道が設置されるわけだ。

ライバルに規模で劣るが気にしない

 「生焼けで出すくらいなら、遅い方がいい(中途半端より、時間がかかってもじっくり取り組んだ方がよい、の意)」。これもノエル氏の処世訓だ。ノエル氏はハイパーマーケットをまだ5店舗しか出店していない。そのため、大規模小売りの中では最も重要である食品及び食料雑貨店の分野では出遅れていると思われている。

 調査会社イメージズ・マルチメディアがまとめた「インド小売りリポート2009」によると、2007年時点でインドの小売業全体に占める食料品店の割合は60%近くで、売上高は8兆ルピー(約15兆5000億円)弱。これに対し、大規模小売りにおける食料品の占める割合はまだ11.5%と小さく、売上高も900億ルピー(1740億円)しかないが、インドの大規模小売業において、実力のある者とない者の差が明確に出るのは間違いなくこの分野だ。その事実をノエル氏が認識していないわけではない。

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