• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

ノキアの今後を占う新型スマートフォン「N900」

“パソコン並みの性能”でiPhoneと対決へ

  • BusinessWeek

バックナンバー

2009年11月17日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

Jack Ewing (BusinessWeek誌、欧州地域担当エディター)
米国時間2009年11月10日更新 「Nokia Launches Critical N900 Phone

 9月、フィンランドの通信機器大手ノキア(NOK)は、毎年恒例となったイベント「ノキア・ワールド」を開催。独シュツットガルトの会場には、多数のサプライヤーや開発業者、アナリストらが詰めかけた。今年のイベントの最大の注目製品は、話題を呼んでいるネットブック市場にノキアが進出し、新発売する小型ノートパソコン「ブックレット3G」だった。

 このイベント会場とは別の場所で、ノキアの一部の幹部は、意外な情報を明かしていた。幹部らが非公式に語ったところによると、近く発売する予定の新型スマートフォン(多機能携帯電話)「N900」と、この端末に搭載されるパソコン用基本ソフト(OS)並みの高機能なOS「Maemo(マエモ)」の方が、ノキアの将来にとって重要な意味を持っているというのだ。

 それから2カ月後の11月10日、ノキアはようやくN900の出荷を開始。N900の本体は、米電子機器大手アップル(AAPL)のスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」、カナダのスマートフォン大手リサーチ・イン・モーション(RIM、RIMM)や台湾の携帯電話機大手HTC(宏達国際電子)などの優れたネット利用機能を持つ携帯電話端末と同程度の大きさだ。だがN900は、こうしたスマートフォンの中で、本当にパソコンをポケットサイズに小型化したと言えるだけの性能を持つ、唯一の機種かもしれない。

 ところが、ハイエンド携帯電話機のN900が主に顧客として狙うのは、性能にこだわる“技術志向のユーザー”であり、高機能なOSを搭載したN900は、ノキアの株主が期待するような打倒iPhoneの切り札にはなりそうもない。

 米調査会社ストラテジー・アナリティクス(SA)のアナリスト、ニール・モーストン氏は、「ノキアは正しい方向に進んでいるが、Maemoはその小さな一歩に過ぎない」と語る。

N900は今後のスマートフォン開発に向けた実験機

 ノキアによれば、N900の価格は、携帯電話通信会社の販売奨励金なしで500ユーロ(約6万7000円)だという。また、数年前のノートパソコンに匹敵する32ギガバイト(GB、ギガは10億)のストレージ容量を持ち、40時間分の高画質映像を保存できる。

 だが、スマートフォンで最高レベルのハードウエア仕様を誇るN900の一番の売りは、搭載するOS「Maemo 5」だ。オープンソースOS「Linux(リナックス)」の派生版であるMaemo 5は、同時に複数のプログラムを動作できるマルチタスク機能を備え、無線インターネットに接続して、画像や映像をパソコンと変わらない速度で表示できる。

 ノキアのベルリン支社でモバイル・マッピングソフトの開発を統括するミヒャエル・ハルブヘール副社長は、「コンピューター・プラットフォームを活用し、携帯電話通信とインターネットの統合をより大胆に推進できる」と述べている。

 スマートフォンの市場シェアをアップルから奪い返そうと目論むノキアにとって、N900は、ハイエンド機の利用者に最新の機能や技術を試してもらう“実験機”の意味合いもありそうだ。N900を通じて蓄積したノウハウを、今後の一般市場向け普及機の開発に応用できるからだ。

 ノキア幹部によれば、N900が狙う顧客は、デジタル機器を肌身離さず使い、電子メールを送受信したり、米SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)大手フェースブックなどのウェブサイトから情報を入手したりするために、ネットへの常時接続を求める層だという。

 ノキアのMaemo端末事業責任者アリ・ヤークシ氏は、「顧客ターゲットは、新しい技術を真っ先に導入するタイプの人々だ」と語る。

 スマートフォン市場での主導的立場の奪回は、ノキアにとって重要課題となりつつある。ストラテジー・アナリティクス(SA)が11月10日に発表したリポートによれば、iPhoneの成功により、現在、アップルはノキアを抜いて世界で最も利益率の高い携帯電話機メーカーになっているという。

 SAの推計では、2009年第3四半期、アップルは携帯電話機事業で16億ドル(約1400億円)の利益を上げている。一方、ノキアの携帯電話機の販売台数はアップルの15倍近いにもかかわらず、事業利益は11億ドル(約900億円)止まりだったと推計されている(BusinessWeek.comの記事を参照:2009年10月15日「Nokia: Rays of Hope Amid the Gloom」)。

iPhoneに対抗できるのはまだ先

 さらに、野村証券の技術アナリスト、リチャード・ウィンザー氏(ロンドン在勤)は、ノキアが一般市場向けの普及機でiPhoneに対抗できるようになるまでには、まだ多くの課題が残っていると指摘する。「スマートフォンをめぐる状況は、2011年後半まで改善しないだろう」(ウィンザー氏)。

コメント1

「Bloomberg Businessweek」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック