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100年先を考えて経営を

「イスラエルのバフェット」イスカル・ベルトマイヤー会長に聞く

  • 佐藤 紀泰

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2009年11月19日(木)

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 イスラエルを代表する経営者とされるのが、イスカルグループのエイタン・ベルトマイヤー会長だ。会長のインタビューの前に、イスカルグループについて簡単に説明しておきたい。

バフェット氏が4800億円で買収

 イスカルは1952年創業の超硬工具の世界大手。独自開発した高性能品が強みであり、日本でもトヨタ自動車や三菱重工業などを有力顧客として抱えている。さらに、昨年11月には国内大手であるタンガロイも買収した。

 著名な米国人投資家であるウォーレン・バフェット氏がイスカルの経営にほれ込み、2006年には4800億円も投資し、イスカルグループの持ち株会社の株式を8割取得したことで世界的な注目を集めた。バフェット氏にとって、米国以外での初めての投資だったからだ。2006年5月、バフェット氏はイスラエル北部テフェンにあるイスカル本社を訪れて、「私はこんな(素晴らしい)会社を見たことがない」と唸った。技術的に世界のリーダーとされる高収益企業だが、長期の安定雇用をモットーとし、会社の雰囲気が家族主義的だったからだ。

投資家ウォーレン・バフェット氏(中央右)とエイタン・ベルトマイヤー氏(中央左)
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 イスカルグループが昨年11月に買収した日本のタンガロイの上原好人社長も、イスカルのベルトマイヤー会長の経営に驚かされた1人だ。タンガロイは昨年9月のリーマンショックで、赤字に転落した。そのタイミングで買収されたのだが、すぐに福島県にある主力工場への大型投資を認めてくれたからだ。上原社長は「イスカル首脳陣からはいつも目先の業績を気にするのではなく、将来の成功を考えて経営してほしいと言われる」と語る。

 長く超硬工具業界で働いてきた上原社長にとって、イスカルの独創的な製品はいつも目標だったという。この業界では汎用品が中心だが、イスカルの製品は独自開発品ばかりで、他社よりも性能が高いところが特徴だ。例えば、旋盤の刃物部分である切削工具であれば、競合他社が生産する汎用製品と比べて3倍ぐらい切削量が多い。それは買収が決まって、上原社長がイスラエルのテフェン本社の工場に行って、刃物の強度を高める独自ノウハウの生産設備を見て納得した。「イスカルは長期的な雇用をベースに社員がオープンな雰囲気で開発などに挑めるから、これだけの技術を持つことができる」(上原社長)という。

 ベルトマイヤー会長の経営を一言で表現すれば、「思いやりのある小さな家族」主義を貫くことだ。その含蓄に富む発言から、賢人経営者として知られており、日本の経営者も参考にすべきことが多いだろう。


 ―― 世界経済危機の影響で、自動車業界向けが主力の超硬工具は相当、生産が落ち込んでいる。大株主である投資家バフェット氏とはどのような話をされたのか。

イスカルのエイタン・ベルトマイヤー会長
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 ベルトマイヤー 9月にも、米国ネブラスカ州オマハに行って、バフェットさんに会ってきた。

 今回、バフェットさんが強調していたのは「人々の(不況への)恐怖心がなくなった。これは最も大切なことだ」ということだ。世界不況で将来に対する恐怖心がなくなれば、最悪の状態は脱することができるということだ。

 2人で「その通りだ」と意気投合したのは「登山では山道を登っていく時が一番楽しいものだ」ということ。確かに経済危機が起きて、ビジネスとしては大変ですが、その過程はいろいろな工夫をしたりして、楽しいこともある。

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