「世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」」

独身者集まれ!大盛り上がりの“光棍節”

北京だけで女性50万人、年中行事となった「独り身の祭典」

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2009年11月20日(金)

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 中国では11月11日が“光棍節”という祭りの日である。米国では11月11日が“Veterans Day(復員軍人の日)”で国家の祝日であるが、中国の“光棍節”は庶民のお祭りである。

 中国語で“光棍”は「樹皮を剥いて作られた棍棒」を意味し、これでは後世に樹木の子孫を残すことはできないことから転じて「独身者」を表す。これに「節句」とか「記念日」を表す“節”を付けて、“光棍節”は「独身者の祭り」を意味するのである。

独身者目がけて特売広告、パーティー招集も

 “光棍節”の起源には諸説ある。1990年代に南京の大学生たちが恋人のいない“光棍(独身者)”をからかって“光棍”を祝う祭りを行ったのが始まりで、これらの大学生たちが卒業して社会に出たことで世間に広まったというのが通説である。それが2000年以降徐々に社会に定着するようになり、2005年頃からは全国的なものとなった。

 今では中国でも“情人節(バレンタインデー)が定着し、2月14日当日に向けて「愛の告白グッズ」の商戦が盛んだが、これと同様に11月11日の“光棍節”が近付くと「独身者」を対象とする特売広告が氾濫し、商店やネットショッピングで激しい販売競争が展開されるのである。

 では、何で11月11日が“光棍節”となったのか。その理由は簡単で、11月11日には数字の「1」、即ち「棍棒」が4本もあるからである。

 なお、正式には11月11日を“大光棍節”と呼び、同様に1だけで構成される月日の1月1日は“小光棍節”、1月11日と11月1日は“中光棍節”と呼び、11月11日に止まらず、これら“小・中光棍節”もお祭りなのだそうである。

 とにかく、11月11日の“光棍節”は販売競争が繰り広げられるだけではなく、各地で「独身者」のパーティーが開かれたり、インターネットで指定場所への「独身者集合」が叫ばれたりと、特定のパートナーを持たない「独身者」の憂さ晴らしが行われるのである。

インターネットで「独身証明書」

 インターネット上では“光棍証(独身証明書)”を発行するサイトも出来ている。

インターネットでで発行される独身証明書。発行者は中国独り者男女管理センターで、有効期限は10年間。「妻もなければ、愛人もなく、ガールフレンドもいない正真正銘の独身であることを証明する」とある

 さらには、次のような“光棍”関連の新語までも生まれている。

“光光” 独身男性
“明明” 独身女性
“脱光” 独身男性がガールフレンドを得ること(光光から脱却することから“脱光”)
“失明” 独身女性がボーイフレンドを得ること(明明という身分を失うから“失明”)
“光復” 再度独身に戻ること(“光復”とは「失地を回復する」の意味)

 これに加えて、“光棍”には“剰客(売れ残った人)”(注)という意味で年齢別に次のような等級が設けられている。
(注)筆者はこの「売れ残った」という表現には抵抗を感じるが、中国語の“剰”は「残る」の意味であり、人民日報日本語版の関連記事も“剰”を「売れ残る」と訳している。
 これは日本語でほかに適当な言葉が見当たらないからで、光棍”の読者には不快感を与えることを覚悟で、本稿では「売れ残る」という表現を使わせていただくことにする。これらの表現を品格がないと感じられる読者もおられると思うが、原文に忠実な翻訳なので、よろしくご了承願いたい。

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著者プロフィール

北村 豊(きたむら ゆたか)

北村 豊

住友商事総合研究所 中国専任シニアアナリスト
1949年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。住友商事入社後、アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、2004年より現職。中央大学政策文化総合研究所客員研究員。中国環境保護産業協会員、中国消防協会員



このコラムについて

世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」

日中両国が本当の意味で交流するには、両国民が相互理解を深めることが先決である。ところが、日本のメディアの中国に関する報道は、「陰陽」の「陽」ばかりが強調され、「陰」がほとんど報道されない。真の中国を理解するために、「褒めるべきは褒め、批判すべきは批判す」という視点に立って、中国国内の実態をリポートする。

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