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セメント生産量が映す中国経済の実態

当てにならない公式統計、エコノミストは代替指標探し

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2009年11月20日(金)

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水泥不会説コウ

経済観察報記者 張 向東

青、黒、水色――。3色の曲線が、グラフの上をからみ合いながら上下している。青は固定資産投資、黒は鋼材生産量、水色はセメント生産量のそれぞれ増減率を表す。そして、3つの曲線は2008年第4四半期から明らかな乖離を見せ始めた。

 投資銀行のエコノミストたちは常々、中国政府が発表する公式統計に疑いの目を向け、中国経済の現状をより正確に把握する方法を模索してきた。英スタンダード・チャータード銀行の中国研究部長を務めるステファン・グリーンは、次のように話す。

 「中国の統計数値の一部には疑問がある。それより、自分たちは“セメント”を信頼している。セメントは決して嘘をつかない」

 グリーンによれば、セメント生産量は中国の固定資産投資の増減を測るうえで最も頼りになる指標である。「セメントと鋼材はあらゆる建設投資に大量に使われる。特にセメントは使用期限が短く、(鋼材のように)長期の在庫がきかない*からだ」と、彼は理由を説明する。

* セメントは空気中の水分や二酸化炭素を吸収すると強度が低下する。一般的な使用期限は製造後1~2カ月とされる。

「工業生産額は増加、発電量は減少」の矛盾

 中国国家統計局は毎月中旬、固定資産投資や消費者物価指数などの主要な統計数値を公表する。グリーンはいつも、公式統計が発表された後に独自の再計算をするが、その結果は往々にして一致しないという。

 冒頭のグラフを見ると、公式統計に基づく固定資産投資の曲線が上昇を続けているのに、セメント生産量は横ばい、鋼材生産量は急速に下降し、3つの曲線がまったく乖離している部分がある。それは2008年第4四半期から2009年第1四半期にかけてであり、中国経済が(金融危機の打撃を受けて)最も減速していた時期だ。

 国家統計局の公式統計では、2008年第4四半期のGDP(国内総生産)成長率は6.8%、2009年第1四半期は同6.1%である。しかしグラフ上では、同時期のセメント生産量の増減率はほぼゼロだった。「当時の中国経済は、現実には公式統計より悪化していた。景気後退への中央政府の懸念を和らげようと、地方政府が数値を水増しして報告した可能性がある」と、グリーンは見る。

 グリーンと同様、中国政府の公式統計に疑いを持つ中国ウォッチャーたちは、他の様々な指標を用いて中国経済を分析している。例えば発電量は、彼らが中国経済の“体温”を測るために好んで使う指標の1つだ。しかし、こうした代替指標を用いることは、さらなる困惑ももたらしている。

 例えば今年第1四半期、中国の工業生産額は5.1%増加したが、発電量は反対に3%減少し、エコノミストの間で少なからぬ論議を呼んだ。国家統計局のスポークスマンの李暁超は、「数字の上では解釈が難しいが、工業生産額と発電量のどちらの数値も正確だ」とコメントした。

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