Ian Rowley (BusinessWeek誌、東京支局特派員)
米国時間2009年11月11日更新 「Subaru: Japan's Hottest Car Company」
富士重工業の自動車部門「スバル」は、長い年月をかけて、独自路線を歩む自動車メーカーのイメージを築き上げてきた。日本の自動車大手の生産するクルマが高い信頼性を誇る反面、時として面白みに欠ける一方で、スバルはボクサー(水平対向)ターボエンジン搭載のスポーティーな4輪駆動(All Wheel Drive=AWD)車とSUV(多目的スポーツ車)の製造に特化してきた。
ところが今年、ほかの自動車メーカーと比べてスバルが抜きん出ているのは、別の理由からだ。多くのライバルと異なり、米国での販売が好調なのだ。スバルの米国での1〜10月累計販売台数は、前年同月比13%増の17万6590台。米国市場の1〜10月の新車販売が全体で前年同期比25%減となる中、これは目をみはる業績だ。
また、1〜10月の米国販売台数が2万台以上の自動車メーカーの中で、販売伸び率でスバルを上回っているのは、ウォン安の恩恵を受けている韓国の自動車大手、現代自動車(ヒュンダイ)とその傘下の起亜自動車(キア)のみだ(BusinessWeek.comの記事を参照:2009年2月2日「Kia Is Ready to Score During Recession」)。
富士重工の森郁夫社長は11月2日の記者会見で、「このような劇的な業績回復には誰もが驚かれたかもしれないが」と述べたうえで、「当社にはいいクルマがある」と胸を張った。
スバルの快進撃は当面続きそうだ。スバルは通期(2010年3月期)の世界販売台数見通しを、従来予想から3万7600台増の54万5500台に上方修正。米国での販売台数は、過去最高となる21万6400台を見込んでいる。
日本の輸出産業の例に漏れず、スバルも依然として円高に悩まされてはいる。だが、少なくとも2010年3月期通期の営業利益は、わずかながらも黒字の見込みとなった。従来予想では、350億円の赤字としていた。
新型車を次々に投入
ここで、スバルの業績が好調な理由を探ってみよう。
まず、車種をほぼ一新したことが挙げられる。スバルは今年、セダン「レガシィ(日本名:レガシィB4)」とSUV「アウトバック(日本名:レガシィアウトバック)」の新モデルを発売。昨年は新型SUV「フォレスター」を、そして2007年には小型車「インプレッサ」の新モデルを投入している。
また、米国市場シェア約2%と、ニッチ市場で戦ってきたスバルにとって、使い勝手の良い中型のレガシィやクロスオーバーSUVが、従来顧客の強い支持を集めていることもプラスに働いたようだ。
米調査・コンサルティング会社IHSグローバルインサイト日本支社の上級市場アナリスト、クロカワミツル氏は、「便利で実用的なクルマを求める消費者が急増している。スバルが生産しているのはまさにそんなクルマ」と語る。
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