2009年4月2日の夜9時、上海の「東方テレビ」のショッピング・チャンネル“東方CJ購物”(“購物”=「ショッピング」)に驚くべき商品が登場した。
それは高級乗用車“宝馬(BMW)”の「120i」(4気筒、2000cc)と「130i」(6気筒、3000cc)の2モデル(いずれもハッチバック・タイプ)で、テレビ画面には合計6台のBMW車が映し出された。
これは中国のテレビショッピング業界初の実況形式による高級乗用車の販売で、このような高額商品のテレビ販売が果たして成功するだろうかという不安と期待が入り交じり、現場のスタッフたちは緊張に包まれていた。
テレビで買うと、ソニーの液晶テレビなどをプレゼント
“東方CJ購物”は、2003年に「東方テレビ」の親会社“上海文広新聞傳媒集団”と韓国の「CJ Home Shopping株式会社」が設立した合弁企業“上海東方CJ商務有限公司”が「東方テレビ」のドラマ・チャンネルを衣替えして2004年4月1日からスタートしたものである。
放送時間は毎晩8時から深夜1時までの5時間、その視聴者数は上海を中心とする約350万人で、中国を代表するテレビショッピング番組であり、今やネットショッピングとカタログショッピングにも進出している。
その“東方CJ購物”が実況でBMWの高級乗用車を販売しようというのである。
同番組におけるBMWの120iと130iの価格はそれぞれ28.8万元(約400万円)と44.5万元(約620万円)で市場価格とほぼ同等。ただし、テレビショッピングで購入すると特典としてソニーの液晶テレビや自動車の改装部品などを含むプレゼントがそれぞれ5万元(約70万円)および10万元(約140万円)相当分贈られる。
受注総額は約1億7450万円
番組は自動車販売の専門家と司会者がBMWの2モデルについて詳細の説明を行う形で進行したが、放送開始からわずか15分後には画面に「第1号のお客様が手付金3000元(約4万2000円)を支払い、問合せが66件」という字幕が流れた。
BMW車の販売に割り当てられた時間は45分間であったが、この間に注文の受付番号には電話が殺到し、最終的に注文が確定したのは何と19台。
この番組の終了時に「以降の注文は直接にBMW販売代理店へお電話を」として、番組を共同企画したBMWの上海地区代理店である“上海凡徳汽車有限公司”の電話番号を紹介した。すると、番組終了後も“上海凡徳”への電話が鳴り止まず、明け方までに受け付けた注文総数は40台となった。
この内訳は120iが34台で、130iが6台であった。これらが全て確定すると合計受注額は120iが979.2万元(約1億3710万円)、130iが267万元(約3740万円)で、受注総額は1246.2万元(約1億7450万円)となる。
自動車の専門家によれば、中国国内で馴染みの薄いハッチバック・タイプのBMW車は年間に全国で60台も売れないので、今回のように1回で40台もの注文が入るというのは驚異的であるとのこと。
記事の内容は面白かったけど、このタイトルは記事の内容のような釣りだと感じました。北村さんを担当される方はもうちょっと誠実なタイトルをつけるようにしてください。(2009/11/29)