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中国で風力発電所が早くも過剰に

送電網の容量不足で風が吹いても開店休業

2009年11月30日(月)

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“風声”500億

財経記者 李其諺

11月上旬、中国北部は強い風と寒波に襲われた。吹きすさぶ突風のため、内モンゴル自治区シリンゴル草原に林立する風力発電所の発電ユニットはその多くが正常に運転できなくなり、巨大なプロペラの間を寒風が鋭い音を立てて通り過ぎるに任せていた。

 「これほど強い風が吹くと、発電ユニットは(負荷が大きすぎて)運転できず、赤字を垂れ流すばかりだ。そのうえ、このあたりは風力発電所が多すぎる。風のない日は発電できず、風が吹く日はどの発電所も一斉に発電するため、今度は送電網の容量を超えてしまう」。内モンゴル電力産業協会副理事長の馬占祥は、そう打ち明ける。

 同協会の統計によれば、内モンゴルの風力発電所の総設備容量(フル稼働時の発電能力)は350万キロワット近くに達している。ところが、設備の3分の1は事実上放置されており、その他の設備も稼働したりしなかったりの状態だという。

 「風の強い冬場は、本来ならかき入れ時だ。それなのに、風力発電への“風当たり”は強まるばかりだ」と、馬占祥はため息をつく。

500億元分の設備が過剰

 内モンゴルで多数の風力発電設備が開店休業の状態にあるのは、決して偶然ではない。実は、中国全土で約500万キロワット分もの風力発電設備が、送電網に電気を送っていない状態なのである。設備容量1キロワット当たりの建設コストを仮に1万元とすれば、500億元(約6500億円)の資金が遊んでいる計算だ。

 風力発電所にとって、生来の“仇敵”と言えるのが火力発電所である。冬になると、送電網は暖房を供給*する火力発電所からの送電を優先するため、風力発電設備の過剰問題がいっそう浮き彫りになる。

*寒冷地の火力発電所は、発電と同時に地域の工場や団地に暖房用のスチームを供給している。

 全国的に見ると、風力発電所の立地は内モンゴル、甘粛、吉林、黒竜江の各省と、東南部の沿海地域に集中している。また、同じ省内でもその分布は偏っている。送電網の末端部で電力消費量が少ない地域や、冬場の暖房需要が大きい地域がほとんどなのだ。特に「三北(西北・華北・東北)」地域では、冬季の暖房需要が大きいため、風力発電所の設備過剰問題が深刻になっている。

 「風力発電所が集中する地域の設備過剰は、既に看過できない段階に入っている」と、中国電力企業連合会の専門家は指摘する。現地の電力需要、風力発電所の発電能力と送電網の送電容量のアンバランス、季節的な負荷集中などの要因により、風力発電所がフル稼働できる時間が極端に短くなっているのだ。

 こうした現実を受け、国務院研究室*は最近一冊の報告書を作成した。「国として風力発電の発展を奨励する政策を変える必要はない。だが、風力発電は不規則性や間欠性を伴うため、大規模な展開には限界がある。政府には計画を合理的に策定し、業界を正しく指導し、風力発電を健全に発展させる一連の政策が求められている」と、報告書の作成にあたった副局長の範必は指摘する。

*日本の内閣府に相当する国務院の内部に設置された研究機関。総合研究局、マクロ経済研究局など8つの局を置き、中央政府の指導者のために調査や政策提言を行う。

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