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東アジア経済共同体の実現に向けて

長い歴史を持つ先導者、ASEANのユニークな役割

  • 黒田 東彦

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2009年12月25日(金)

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 東アジアにおける経済統合については、内外でさまざまな議論が行われています。そこで、今回は、経済統合を進めるうえでASEAN(東南アジア諸国連合)が果たすユニークな役割に注目したいと思います。

 ASEANは、1967年に、インドネシア、フィリピン、マレーシア、シンガポール、タイの5カ国によって結成されました。当時、深刻化しつつあったベトナム戦争に対応して米国の支援の下に設立されたものですが、その後、ASEANは、ベトナム戦争の終結、米中国交回復、東西冷戦の終焉などの中で大きく変質し、いまや上記5カ国に加え、ブルネイ(1984年加盟)、ベトナム(1995年加盟)、ラオス(1997年加盟)、ミャンマー(1997年加盟)、カンボジア(1999年加盟)を含む東南アジア10カ国の経済統合を目指す組織に発展しています。

 具体的には、ASEANは、2015年にASEAN経済共同体(ASEAN Economic Community)を実現し、域内関税の撤廃と投資や人の移動の自由化などを達成することを決めています。そのため、ASEAN憲章を策定し、経済共同体に向けた各国の政策努力をモニターして加速することにしています。

 さらに、ASEANは、日本、韓国、中国の3カ国を加えたASEAN+3の経済統合、これらにインド、オーストラリア、ニュージーランドの3カ国を加えたASEAN+6(東アジアサミットグループ)の経済統合を先導しています。そこには、これら大国との貿易投資を促進して経済的利益を得るとともに、それら諸国の影響力のバランスを取ろうとする意向がうかがえます。

 いずれにしても、東アジアにおける経済統合はASEANの役割を離れて論議できないと思われますので、ASEANの現状やASEAN経済共同体の実現可能性について説明した後、東アジア経済共同体に向けた動きについて述べたいと思います。 

巨大な経済圏ASEANの現状

 ASEAN10カ国の人口を合計すると6億人近くになり、その合計GDPは約1兆ドルと韓国やインドのそれに匹敵します。したがって、GDPが4兆ドルに達する日本や中国には規模で劣りますが、巨大な経済圏であるといえます。また、1人あたりの総国民所得(GNI)も2000ドルに近く、低所得国というより中所得国のレベルに達しています。

 しかし、10カ国間の格差も大きく、人口が100万人に満たないブルネイから2億3000万人と(中印米に次ぐ)世界第4位の人口を持つインドネシアまで、1人あたりGNIが600ドル以下のカンボジアから3万ドルを超えるシンガポールまで、広範に拡がっています。輸出入を見ても、石油輸出国のブルネイやマレーシアから石油輸入国のタイやシンガポール、世界最大のコメ輸出国のタイやベトナムから世界最大のコメ輸入国フィリピンまで、さまざまです。

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