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それは幻想です。鳩山「東アジア共同体」

民主党新人議員は早く目を覚ました方がいい

  • 吉田鈴香

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2009年12月28日(月)

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 すでに政権交代から100日が経った。当初の国民の熱気もかなり冷めた。その原因は、民主党でも景気後退でもなく、もちろん鳩山首相自身にあることを国民は気づきつつある。

 それでは、その鳩山首相の政治方針を生んでいる思想とは、何か。年末にもう1度振り返って、新しい年を迎えたい。

 首相の政治思想をもっともよく著しているのは、就任前の8月10日にホームページで発表した「私の政治哲学」である。ニューヨーク・タイムズ紙に寄稿した鳩山論文の元原稿でもある。これを再度よく読み込み、鳩山政権が何たるかを考えよう。

通貨統合が目標、でも経済政策に言及なし

 改めて鳩山論文を読んでみると、次のような言葉が並ぶ。

「経済協力と安全保障の枠組み」
「経済協力と安全保障のルール」
「地域的な通貨統合、『アジア共通通貨』の実現を目標として」
「今回の世界金融危機後の対応も、従来の国際通貨基金(IMF)、世界銀行体制の単なる補強だけではなく」
「アジア共通通貨の実現には今後10年以上の歳月を要するだろう。それが政治的統合をもたらすまでには、さらなる歳月が必要であろう」

 つまり、構想で現実的に目標とされているのは、「アジア共通通貨」である。東アジア共同体とは、「アジア共通通貨」を持つ共同体のことであるかのようだ。

 しかし、共通通貨は、自由経済が担保され、一定の政治枠組みの下に中央銀行を共有する仕組みを確立した国家間から生まれてくる議論である。経済連携協定(EPA)も自由貿易協定(FTA)も確立されていないアジア諸国と交わす議論ではない。

 なぜ、域内自由貿易とか、自由な熟練労働力移動とか、企業の自由な活動とか、共通の金融市場とか、政治的な利害調整のメカニズムとか、安全保障とかを言わないのだろうか。不思議である。

 これらのステップがすべて無視されて中抜きになったまま、「共通通貨」だけが目標とされている。

共同体と言うなら「人の移動」が肝要

 EUの例を見れば分かるように、共通通貨を検討する前に、域内で整っているべきことは、東アジア共同体における(少なくとも域内の)自由貿易体制、金融サービスや熟練労働移動も含む財・サービスの自由な往来、政治的な調整のメカニズム、そして、北大西洋条約機構(NATO)のような安全保障のメカニズムである。

 言い換えると、農業の共通市場化、エネルギー(鉄鋼石と石炭)の融通、域内運輸インフラの整備、熟練労働市場の開放、金融市場の共通化などの幅広い政治経済での共通メカニズムの存在である。

 特に、重要かつ、微妙な問題をはらむのは、人、とくに非熟練労働力の移動である。

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