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高成長する「3億人」のメコン河流域

“成長センター”になるのに不可欠なインフラ整備

  • 黒田 東彦

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2010年1月15日(金)

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 アジアの経済発展というと、かつての「四匹のトラ」(韓国、台北チャイナ、香港、シンガポール)や最近の中国やインドなどが思い浮かぶでしょうが、ベトナム、ラオス、カンボジア、タイ、ミャンマーに中国南部2省(雲南省、江西壮族自治区)を加えたメコン河流域6カ国の経済発展にも著しいものがあります。

 このメコン河流域の経済発展については、1992年に始まった有名な「メコン河流域経済協力計画」(Greater Mekong Sub-region Economic Cooperation Program、GMS)の貢献が大きかったと思われます。アジア開発銀行(ADB)は、この計画を最初から支援してきており、GMSを地域経済協力の最も成功した例とみなしています。

 GMSの成功例にならい、すでに、インド東部、バングラデッシュ、ブータン、ネパールの4カ国による「南アジア地域経済協力計画」(South Asia Sub-regional Economic Cooperation Program、SASEC)や、カザフスタン、ウズベキスタン、キルギス共和国、タジキスタン、アフガニスタン、アゼルバイジャンに中国とモンゴルを加えた8カ国による「中央アジア地域経済協力計画」(Central Asia Regional Economic Cooperation Program、CAREC)が進行しています。ADBは、これらの地域経済協力でも、最大の開発パートナーとして幅広い支援を行っています。

 そこで、今回は、 GMSの歴史、現状、将来について俯瞰し、メコン河流域のインフラ整備を中心にした地域経済協力がどのように経済発展と貧困削減を可能にしているかを見るとともに、アジア全体にインフラ協力を拡げていく可能性について検討したいと思います。

近代的な経済活動の前に立ちはだかっていたメコン河

 1992年にGMSが始まったとき、メコン河流域は東南アジアでも遅れた地域でした。すでに、シンガポールやマレーシアが経済発展の面で先行し、バンコク周辺のタイを除けば、この地域は経済発展に取り残された地域だったのです。その最大の原因はインフラの未整備にありました。総延長4200キロメートルにも及ぶ巨大なメコン河がインドシナ半島を分断していたといえます。

 もちろん、かつてインドシナ半島で栄えたクメール王国やタイのアユタヤ王朝の例が示すように、メコン河の提供する水利や水運が農漁業や交易の発展を促したことはあります。しかし、近代的な経済活動が必要とする膨大な交通、通信、電力などの需要充足にメコン河が立ちはだかっていたのです。

 これに対し、天然の良港に加えて空港を整備したシンガポールと道路網を整備したマレーシアは、良好な社会インフラとあいまって海外からの投資を呼び込み、急速に経済を発展させていました。

 したがって、この地域の経済発展をもたらすためには、メコン河の水利と水運を最大限利用しつつ、障害となっている交通、通信、電力などの経済インフラを整備するとともに、遅れている社会インフラを改善して地域全体を魅力的な投資対象にする必要がありました。一つひとつの国は小さくても、6カ国を合わせれば3億人を超える経済圏になることも重要な点でした。

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