Amy Feldman (BusinessWeek誌アソシエートエディター、ニューヨーク)
米国時間2010年1月14日更新 「Haiti Earthquake Provokes Wave of Text Donations」
1月12日、カリブ海のハイチで大地震が発生し、深刻な被害に見舞われた。この大地震の被災者支援に際して、携帯メールによる寄付が重要な役割を果たしている。携帯メールを使った国民の募金が急増しているのだ。
米赤十字社のハイチ救援募金では、携帯電話から「HAITI」と書いたテキストメッセージをショートコード「90999」に送信すると、義援金を寄付できる。携帯メールを通じて米赤十字社に寄せられた募金は地震発生後2日足らずで500万ドル(約4億5000万円)に達し、1時間に20万ドル(約1800万円)のペースで募金が集まっているという。これは、2005年の大型ハリケーン「カトリーナ」の襲来を受けて携帯メール経由で集まった募金額の12倍以上に相当する。
募金は「HAITI」のテキストメッセージの送信1回につき、米赤十字社に10ドル(約900円)寄付され、募金額は携帯電話の月額料金に加算される。
募金はなおも増え続けており、携帯メールで集まった募金額は、米赤十字社に寄せられた額だけでも、既に2009年の携帯メールでの年間募金総額を上回っている。
そのほか、ハイチ出身のミュージシャン、ワイクリフ・ジョン氏の慈善団体エール・ハイチ(ショートコード「501501」に「YELE」と送信)や国際医療援助団体「国境なき医師団」(ショートコード「90999」に「DOB」と送信)、ビル・クリントン元米大統領が設立した米クリントン財団のハイチ救助基金(ショートコード「20222」に「HAITI」と送信)などにも携帯メールでの募金が殺到している。
携帯メールでの募金がこれほど急増した背景には、メール機能を持つ携帯電話の普及や、ネット交流の拡大により、募金の呼びかけが口コミで効果的に広がるようになったことなどがあるようだ。
米慈善活動関連コンサルティング会社ブループリント・リサーチ・アンド・デザインのルーシー・バーンホルツ社長は、「活発にネット交流するツイッター世代にとって、携帯メールは募金活動を行うのに最適だ」と指摘する。何しろ、携帯メールは瞬時に送信でき、おおむね5~10ドル(約450~900円)と少額単位で寄付できる。
ただし、バーンホルツ社長は、「数多くの人が募金に応じるが、(災害への)関心が薄れるのも早い。携帯メールによる募金は、10ドルを寄付した後、支援者の関心がすぐにほかに移るという移り気な傾向に拍車をかけている気がしてならない」とも語る。
募金活動全体に及ぼす効果は不明
携帯メールによるハイチ被災者支援の募金集めで、若い世代が被災者支援に積極的になり、募金が全体として増えているのか、それとも支援意欲が高まったわけではなく、単に募金の手段が変わっただけなのかはまだ不明だ。
米国の携帯の課金方法や、このメール募金での支払方法については寡聞ながら存じませんが、日本で同様の募金方法があり、募金した金額が有料コンテンツ使用料と同様に月々の利用料と一緒に引き落としされるのであれば、利用したいと思います。街頭の募金箱などはその後誰がどう使うのかわからず、募金の名を語り集めた資金を着服する人間も存在していることも事実。募金するならば信用できる団体へと思っても、小額の寄付に銀行振込みの利用は気が引けます。その点、このメール募金のシステムは、自分が信用する団体へ直接、手間も少なく、小額でも気後れせずに送金でき、決済も便利と、今まで行動に踏み出すのが億劫だった人にも一歩踏み出させる良いきっかけになると思います。(2010/01/21)