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「みんななかよく さあ いこう」

Opportunity Schoolで教えてみる【その13】

  • 林 壮一

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2010年1月28日(木)

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(前回「戻ってきてしまった少年」から読む)

 あさ あさ あかるい あさ
 うみがひかる まちがひかる やねがひかる

 おはよう おはよう さあ いこう
 みんななかよく さあ いこう

 私が小学校入学直後に手にした国語の教科書の一頁目には、このような文章が書かれていたと思う。

 記憶をたどりながら、その一文をホワイトボードに書いた。

「読んでごらん」

 私が促すと、少年Aと少年Bは、自ら作ったジャパニーズ・アルファベット・シートを覗き込みながら、ひとつひとつの言葉にローマ字でカナを振っていった。

「上から2番目は何だったっけな?」
「『さ』、じゃないの?」
「さ、し、す、せ、そ、の『さ』?」
「うん。自信があるよ!」

 わずか数日間で、2人は友情を育んでいるように見えた。私は2人が全てを読み切るまで、手を貸さずにただ見守った。質問されても、「ノートを見て確かめてみろ」と応じるだけにした。

 この日、テイラー・ハーパーは会合があり、教室にいなかった。そして、ハーベスト・コーガンも病欠で、大学を卒業したばかりの青年が代行教諭として勤務していた。その彼の傍らに、新顔の少年が座っている。

 AとBがカナを振るなか、私は初めて会う少年に声を掛けた。

「やぁ、おはよう」
「おはようございます」

 恰幅のいい少年は、一目でヒスパニックと分かった。

新顔の少年は、ボクシングに興味を示した

「2人と一緒に日本語をやるかい?」

 私が訊ねると、少年Bが振り返りながら言った。

「彼はボクシングに関心があるみたいだよ!」
「いいから、キミは今、目の前の課題をやりなさい」

 Bの言葉に、彼は反応した。

「先生、ボクシングの経験があるの?」
「まぁね」
「僕に教えて!」

 AとBは、まだまだ時間が掛かりそうだったので、3分くらい動いてみるかと、私は鏡の前でジャブ、ジャブ、と基本動作を教えてみた。

 少年は、AとBより食いつきがよかった。小太りではあるが、運動神経も2人より遥かに発達している。

「キミは、スポーツが得意そうだな?」
「好きなんだ」
「何が一番好き?」
「バスケットボールかな。ちょっとサッカーのチームにも入っていたし、ボクシングにもすごく興味があるよ」

 私がミット打ちを促すと、放ってくるパンチは重かった。また、ディフェンスの練習をさせてもリアクションが機敏だ。

 1ラウンド動くと、少年の息は多少乱れたが、まだまだ物足りないような顔をしている。

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