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“引き算上手”にならないと韓国勢には勝てない

「失敗学」の視点から見る日本のモノ作りの死角

2010年1月28日(木)

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 連載の第3回目は、「失敗学」が専門で、サムスン電子のモノ作りを分析した書籍を共著で執筆した東京大学名誉教授の畑村洋太郎氏に聞いた。

(聞き手は山崎良兵=日経ビジネス記者)

前回から読む)

畑村洋太郎(はたむら ようたろう)氏
1941年東京都生まれ。東京大学工学部機械工学科修士課程修了。東京大学大学院工学系研究科教授を経て工学院大学グローバルエンジニアリング学部機械創造工学科特別専任教授。東京大学名誉教授。工学博士。専門は失敗学、創造的設計論、ナノ・マイクロ加工学。2009年9月に韓国・サムスン電子元役員の吉川良三氏と共著で、『危機の経営~サムスンを世界一企業に変えた3つのイノベーション』(講談社)を上梓。

 ── 『危機の経営』では、韓国のサムスン電子の躍進と日本の電機メーカーのモノ作りの課題を分析しています。畑村先生は失敗に学び、同じ過ちを繰り返さないためにどうすればいいのかを考える「失敗学」で知られています。この視点に立つと、日本メーカーの現状はどのように見えるのでしょうか。

失敗から何が学べるのかが大事

 畑村 私は技術の創造をテーマに研究してきました。ゼロからモノを作るのにはどうすればいいのかを考える「創造工学」です。

 創造には失敗がつきものですが、失敗を否定的に見てはいけません。挑戦すれば必ず失敗が起きる。そこから学んで次にチャレンジする。その積み重ねが成功につながります。

 チャレンジしない人は失敗しないが成長もしない。つまり失敗から何を学べるのかが重要なのです。

 この「失敗学」の知識や考え方に沿って、サムスンを見ると分かることがあります。日本メーカーはこれまで傲慢になったり、成功体験によりかかっていたりした結果、見えるはずのものが見えていなかった。

 「過去はうまくいっていた」「俺たちの技術はすごい」「いいモノを作れば必ず受け入れられる」といった姿勢では、韓国勢との戦いに勝つのが難しい。失敗に学ばなければ、今後もずっと勝てないでしょう。

 しかし考え方や姿勢を大きく変えるならば、技術力がある日本メーカーが勝てる可能性はもちろんあります。まずは、これまでのやり方を基本に、自分たちの視座を固定して物事を考える姿勢を見直すべきです。

 ── 具体的には日本メーカーはモノ作りをどのように変えるべきなのでしょうか。

「モノ」より上位概念の「機能」で考える

 モノ作りを構造的に捉え直すことが求められています。

 サムスンの強さの1つの理由は「リバース(反転)・エンジニアリング」にあります。ライバルの製品を入手して分解し、それを参考にして自分たちの商品を開発する手法で“模倣”というイメージが強いのですが、サムスンの場合はそれを乗り越えた極めて高い次元に到達している。

 ライバルの製品を単純に真似するのでなく、世界の様々な国や地域で要求される「機能」にまでさかのぼって考えています。目の前にある「モノ」ではなく、機能というさらに上位の概念から見ているのです。

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「“引き算上手”にならないと韓国勢には勝てない」の著者

山崎 良兵

山崎 良兵(やまざき・りょうへい)

日経ビジネス記者

日経ビジネス編集部、ニューヨーク支局、日本経済新聞証券部を経て、2013年1月から日経ビジネス編集部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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