Arik Hesseldahl (BusinessWeek.com記者)
米国時間2010年1月27日更新 「The iPad Threat to PCs」
米電子機器大手アップル(AAPL)は1月27日、新型タブレット機「iPad(アイパッド)」を発表した。iPadは軽量ながら電子メールやインターネットの閲覧機能を備え、電子書籍などのデジタルコンテンツの視聴もできる。機能を絞ったノートパソコンであるネットブックに代わる選択肢にもなり、パソコン各社にとっては重大な脅威だ。
iPadは本格的なパソコンと全く同じ機能を備えているわけではないが、近年人気の高いネットブックで消費者が重視する機能の多くは、iPadにも備わっている。価格はネットブックの多くが400ドル(約3万6000円)程度なのに対し、iPadは最も安い機種が499ドル(約4万5000円)となる予定。
米IT(情報技術)市場調査大手ガートナー(IT)のチャールズ・スマルダーズ氏は、「ネットブックの購入を考えている人にとっては、iPadも購入の検討対象になるだろう」と語る。
これは、パソコン各社にとって懸念材料だ。消費者や企業がパソコンの高額機種の購入を控える中、米ヒューレット・パッカード(HP、HPQ)や台湾のエイサー(宏碁、2353:TT)、米デル(DELL)などのパソコン各社は、ここ数四半期の成長をネットブックに頼ってきた。
米IT市場調査大手IDCの調べでは、2008年第4四半期のパソコン出荷台数が0.4%減だったのに対し、2009年第4四半期は15.2%増となっている。米IT市場調査大手IDCのアナリスト、デビッド・ダウード氏は、この成長の「かなりの部分」がネットブックによるものだと指摘する。
業界の利益率低下に歯止めがかかる可能性も
一方、iPadの発売が業界にプラス効果を与えると見るアナリストもいる。パソコン各社がネットブックよりも高額の機種に力を入れるようになり、各社の収益性が改善する可能性もあるからだ。ネットブックの販売が増えるとパソコンの平均販売価格が下落し、各社の利益が圧迫されかねない。
米IT市場調査大手フォレスター・リサーチ(FORR)のアナリスト、ジェームズ・マクイビー氏は、「ネットブック市場は利益率を減らす一方の競争を生み出していた。消費者の感覚では、低価格のネットブックでもハイエンドパソコンとほぼ同等の機能を実現できるため、高価格で利益率の高いノートパソコンは売り込みにくくなる」と語る。
そのため、ネットブックの成長が鈍化すれば、パソコン各社は再び利益率の高い従来型のノートパソコンに力を入れざるを得なくなると、IDCのダウード氏は語る。
「これにより、パソコン業界に必要な健全性と新たな選択肢がもたらされる。長い間、パソコン各社は不毛な値下げ競争を繰り広げてきた。今後、パソコン各社は新たな発想で、適正価格でアップルに対抗する機種を開発できるようになる」(同氏)。
次ページ以降は「日経ビジネスオンライン会員」(無料)の方および「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみお読みいただけます。ご登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。



BusinessWeekは米ブルームバーグ社が発行するビジネス雑誌である。1929年、大恐慌の年に創刊されて以来、世界中に読者を拡大してきた。現在の読者数は約470万人を誇る。本コラムではBusinessWeek誌および







