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アップルの「iPad」、訴求力不足で苦戦は必至?

新ジャンルの市場をどう創出するか

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2010年2月10日(水)

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Arik Hesseldahl (BusinessWeek.com記者)
米国時間2010年2月5日更新 「Apple's Hard iPad Sell

 米電子機器大手アップル(AAPL)は、新型タブレット機「iPad(アイパッド)」の発表で、新しい文化の発信源という企業イメージをさらに高めた。

 米ワシントンD.C.にある報道博物館「Newseum(ニュージアム)」が集めた各地の新聞の1面記事をざっと調べた結果では、米国の47の州とコロンビア特別区のほか、世界6大陸の24カ国で、iPadの写真や記事が1面を飾っていた。その範囲は、ブルガリア、ウルグアイ、トルコ、ポルトガルにまで広がっている。

 特に問題を起こしたわけでもないのに、これほどの注目を集めた企業がかつてあっただろうか。経営破綻して一から出直したわけでも、世界の金融システムの崩壊を引き起こしたわけでも、アクセルペダルが戻らない車を製造したわけでもないのだ。メディアがアップルに熱を上げる現象(BusinessWeek.comの記事を参照:2006年1月12日「The Media's Crush on Apple」)は、衰えを知らないばかりか、世界中に拡大している。

 アップルはこの10年間、携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」とスマートフォン(多機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)」で、音楽業界と携帯電話業界に大変革をもたらしてきた。このところ同社に大きな注目が集まっていたのは、今度はiPadで出版業界にも同じような変革をもたらすのではと期待されていたからだ。だが、現段階での反応を見る限り、今回発表されたiPadでは、その達成は望み薄だ。

 急激な凋落が続く新聞各社は、業界に活気を取り戻すための突破口としてiPadに期待している。ウェブでは見られないコンテンツを取り入れた斬新なアプリケーションをダウンロードできるようにして、需要を掘り起こそうという考えだ。

 出版各社は、電子書籍の購入を促進する媒体としてiPadに期待し、また出版社による価格決定権をアマゾンに認めさせたいとの思惑から、電子書籍市場で先行する米インターネット通販大手アマゾン・ドット・コム(AMZN)との競争を歓迎する側面もある。

 iPhone向けのアプリ販売で成功を収めたソフトウエア各社(BusinessWeek.comの記事を参照:2009年10月22日「Inside the App Economy」)は、iPhoneより大型のiPadの画面を生かした新型アプリで、さらなる売上拡大を目論んでいる。

新ジャンルの市場を創出できるか?

 だが、先月発表されたiPadの機能やサービスでは、iPodやiPhoneのようには、人々の生活をいかに変革するのかが見えてこない。iPodの場合、2001年の発売時点で、携帯できる音楽再生機器というジャンル自体はソニー(SNE)の「ウォークマン」などで既に確立されており、iPodはその利便性を大きく向上させた。iPhoneについても同じことが言える。携帯電話は既に広く普及していたし、スマートフォンの利用者も相当数いた。iPhoneは、スマートフォンの利便性を大きく高めた。

 iPadには、既に確立したジャンルの刷新ではなく、新たなジャンルの市場の創出という難題が待っている。とはいえ、すべての人にとって未知のジャンルというわけではない。

 筆者は、同社の携帯型電子機器「iPod touch(アイポッド・タッチ)」を愛用しているので、iPadの存在意義は分かる。さらに筆者は、メールをチェックしたり、米大手SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)サイト「Facebook(フェースブック)」で友人と交流したり、米マイクロブログサービス「Twitter(ツイッター)」に投稿したりといった用途にもiPod touchを使う。

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