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世界的な歴史本ブームの背景とは

危機のギリシャでは“哲学マンガ”がベストセラー

  • フィリップ・デルヴス・ブロートン,関谷 英里子

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2010年2月24日(水)

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 現在、日本では歴史ブームだと聞いているが、それは何を意味するのだろう。読者の皆さんも考えたことがあるかもしれない。歴史ブームは日本に限ったことではない。今回は欧米の最近の歴史回帰の傾向について話してみたいと思う。

 人が瞑想する際には、自己の存在の小ささを認識するのがいいという。我々は無限の宇宙においては、単なる原子の集合体という小さな存在にすぎない。そう考えると、今自分に起きている問題を違った大きな視点で捉えることができる。

我々が歴史に求めるものとは

 歴史を振り返ることも同じような効果をもたらしてくれる。今、という瞬間から一歩離れて問題を見ることができるのだ。山積する問題に押しつぶされてしまいそうなとき、今の自分は長い人間の歴史の一瞬を生きているにすぎないと感じさせてくれる。

 歴史を振り返ることは精神的な安定をもたらすだけではない。我々は歴史を振り替えることから、物事にはパターンがあると認識し、問題の解決策を考えることができる。最近の米国の金融危機の対応を見ると、FRB連邦準備制度理事会のベン・バーナンキ議長が学生時代を1930年代の世界大恐慌の研究に費やしてきたことに影響されていると思われる。

 金融危機の初期、米国の書店では1930年代の大恐慌に関する本が氾濫した。そして読者は、それまで自分たちの「カネ」に関する概念は正しかったのか、と自問しはじめた。カネとは何か。信用や交換の手段なのか。それとも諸悪の根源なのか。

 昨年のベストセラーに、ハーバード気鋭の経済史家、ニーアル・ファーガソンの『マネーの進化史』が挙げられる。本書のテーマは1つ、カネとは何であり、カネはどのようにして我々を支配するまでに至ったのかということだ。

学生時代に“読まされた”ギリシャ哲学の本を今再び読む

 私はオックスフォード大学で古典を専攻した。週に一度、このまま眠ってしまうのではないかと思わせる教授とギリシャ・ローマ哲学についての議論をするという授業を取っていた。そして19歳の私は、人生の意味や無意味について、また人間は変われないということについて、そして精神世界と物質世界の矛盾などについての論文を書いた。むしろ書かされた、と言ってもいいかもしれない。当時は一生懸命勉強はしたつもりだが、それらについて実感として分かっていたとは到底言えないだろう。

 そしておよそ20年が経過した今日、当時読まされていた本を再び手に取っている自分がいる。ギリシャ人もローマ人も、不確実性の時代を生きるにあたって知恵を絞っており、そのことは現代も引き継がれている。歴史から学ぼうとしているのは、私だけではないだろう。

 米国では飛ぶように売れた『なぜ、週4時間働くだけでお金持ちになれるのか?』の著者ティモシー・フェリスは、インターネットなどのテクノロジーを最大限に活用することについても触れているが、我々は人生の目的とは何かを考える必要があり、そのためにはセネカを読むべきだとも書いている。

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