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インフォシスのリーダー育成戦略

インドIT大手、優れたリーダーの育成が国際競争力の源

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2010年2月23日(火)

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Patricia O'Connell (BusinessWeek.com、マネジメント担当エディター)
米国時間2010年2月16日更新 「How Infosys Leads the Way in Leadership

 2年前、インドのIT(情報技術)大手インフォシス・テクノロジーズ(INFY)では、管理職の深刻な人材不足が顕著になっていた。これまで経験したことのない急成長を続ける中、実力が伴わない社員を管理職に起用せざるを得ない事態が急増していたのだ。インフォシスの人事部門を統括するナンディタ・グルジャール上級副社長によると、現在ほかの多くのインド企業も、同様の人材不足問題に直面しているという。

 「問題の一因に、インドが過去5~10年に目覚ましい経済成長を遂げる中、経験や能力が伴わないうちに昇進するケースが増えたことがある」とグルジャール上級副社長は語る。こうして昇進した人は大抵の場合、力不足を痛感することになる。権限はあっても、真のリーダーに求められる経験や自信が不足しているためだ。

 同副社長は、「こうした社員を会社に引き留めておくのは極めて難しく、離職率は高くなる」と言う。インドが高度経済成長を遂げ、転職先がいくらでもある現状では、それも当然と言えるだろう。

 インフォシスはこの問題に素早く対応し、大胆な対策を打ち出した。2007年、同社は1年半にわたる社内改革策を立案し、新たな役職を設け、組織改編を推し進めた。人事部は職務資格の変更とともに、管理職の登用基準を改め、経験年数や業務の成熟度、達成成果なども初めて登用基準に取り入れた。

 「勇気が要る取り組みだった。社員に昇進を見送ると言えば、あっさり辞めて他社に移ってしまうからだ」(グルジャール上級副社長)。

 そのため、この組織改編で極めて重要な役割を担ったのがコミュニケーションだ。組織改編に伴い、15%もの社員が以前よりも権限の少ない職務に異動になった。

 グルジャール上級副社長は、「異動対象者に『今の役職に就くのは早過ぎた。この役職にとどまれば、失敗を招く恐れが高い』と説得した。人事異動の必要性を社内各層のコミュニケーション担当者に伝え、社員には何カ月も時間をかけて説明した」と語る。同上級副社長によれば、各部門の管理職は部下にこの人事方針を伝え、納得してもらわなければならず、慎重に取り組む必要があったという。「当社最大の人事改革だった」。

 明確な成果が表れるにはまだ時間がかかるかもしれないが、インフォシスは、BusinessWeek.comと米人事コンサルティング会社ヘイグループが共同で選ぶ「リーダー育成先進企業」ベスト20に入った唯一のインド企業だ。グルジャール上級副社長は、「当社の離職率はかつてないほど低下した」と言う。

管理者とリーダーの違いがまだ理解されていない

 ヘイグループのインド・ニューデリー支社のコンサルタント、ジェイコブ・ピーター氏は、インフォシスはほかの大半のインド企業と比べて、リーダー育成術に優れていると評価する。

 ピーター氏は、「リーダーの最も重要な役割は、物事を明確にし、模範を示し、建設的なフィードバックを行うこと」にあると言う。インド企業で役職に就く者は、その点を理解し、声を荒らげて命令するだけがリーダーの役割ではないことを理解する必要がある。単なる管理者とリーダーの違いはここにある。しかし、多くのインド企業の役職者は、まだこの違いを理解していないとピーター氏は言う。

 「インドのリーダーはプロジェクトを最も手っ取り早く遂行する方法を見つけようとする。だが、部下にプロジェクトの内容や背景事情を説明し、職務を明確にするというプロセスをあまりに軽視している。このプロセスこそがリーダーに求められる重要な責務だ」(ピーター氏)

 インド企業の役職者がリーダーとしての役割を果たそうとしないのは、インド経済が自由化されてからまだ年月が浅いことが一因かもしれない。ピーター氏は、「1990年代初めまでは、製造認可を受けた企業は安泰だった。製造業者の数は制限されており、需要を気にする必要はなかった」と語る。そのため、企業の業績が人材不足問題に大きく左右されることもなかった。

 優秀なリーダーが不足している要因としてもう1つ考えられるのは、つい最近まで、インドの組織のほとんどが階層型だったことだ。現在では組織のフラット化が進んでいるものの、ピーター氏によれば、従来型のリーダーの多くは変化を拒んでいるという。上意下達型の組織管理体制が根強く残り、リーダーが部下に命令するばかりで部下の士気を下げる要因になっているのではないかと、同氏は語る。

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