遺伝子組み換え大豆で米シェア9割を握るモンサント。特許権の厳重な保護とライセンス契約で優位を築いてきた。大豆の特許切れが近づくが、第2世代品種に期待をかける。
米司法当局をはじめ、資金潤沢なライバル企業や遺伝子組み換え作物への抗議団体と対立し続けてきた世界最大の種苗会社、米モンサントが突如“いい人”を演じ始めた*1。
同社は2014年に特許期限を迎える遺伝子組み換え大豆「ラウンドアップレディ(同社開発の除草剤ラウンドアップに耐性を持つ)」についてはもう争うことはせず、特許切れを待つとCEO(最高経営責任者)のヒュー・グラント氏(51歳)が言い出したのだ。これはラウンドアップが登場した1996年以降、初めて法的制約なしに、競合企業も安価なジェネリック品を作り、農家は自家採種したものを翌年から作付けできることを意味する。
*1=モンサントは2014年に特許切れを迎える第1世代種子を販売する際、第2世代も仕入れるよう強要し、農家や競合他社の第1世代使用を阻止しようとした疑いで当局の調査を受けている
第2世代品種は厳重に権利を守る
だが、「お人よし」になったのではない。モンサントは除草剤に耐性があり、収穫高をもっと増やせる大豆の新品種「ラウンドアップレディ2」の販売を既に始めており、2011年にはさらに新たな遺伝子組み換え製品も投入する計画だ。これら第2世代品種については第1世代と同様、厳しく特許権を管理するだろう。
同社は、第1世代の大豆ではこの戦略で、米国産大豆のシェアの93%を握った。シェア達成には他メーカーへのライセンス供与も大きく貢献した。同社次席法務顧問チーフのスコット・パートリッジ氏も「現行特許法で適切な保護策を模索することになる」と語る。
今のところ懐柔策の効果は出ていない。モンサントは1月中旬、大豆事業の反独占禁止法違反に関する調査で数百万ページの書類を司法省に提出したことを明らかにした。加えて、業界2位の米デュポンから訴訟も起こされている。市場優位と技術ライセンスを悪用して、デュポン傘下のパイオニア ハイブレッドインターナショナルなどの製品を締め出したという。
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