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疲弊する中国現地法人

妻子を上海に残し“内陸単身赴任”する駐在員のつぶやき

2010年3月8日(月)

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 「これを見てください」

 こう言って、机の引き出しから輪ゴムで巻いた飛行機のチケットの半券の束を取り出した。厚さは4~5センチはあるだろう。

 「去年だけで70回ですよ」と疲れ切った声で語るのは、ある電機メーカーで保守サービスを受け持つ日本人幹部だ。

飛行機の機内がオフィスみたいなもの

 「中国ビジネスはこれからが本番だ。売って、売って売りまくれ!」と威勢の良い檄が本社から飛んだ。この電機メーカーは、これまで沿岸部の富裕層を対象に、高付加価値の商品を地道に販売していた。

 しかし、欧州での販売は総崩れ、米国もダメ、日本は言うに及ばず。「もはや中国しかない」ということで、思い切って中国での商品ラインナップを拡大した。対象は内陸市場だ。

 「売ればいいってものでもないでしょう。売った以上はメーカーとして品質責任がありますから、メンテナンスや保守サービスはしっかりやらなければなりません。そのための特約店向けの技術指導は不可欠です」

 そう語る彼は、特約店の技術指導のため、中国内で東奔西走の日々を送っている。「飛行機がオフィスみたいなものですよ。それに、現地で指導する時間よりも飛んでいる時間の方が長いですから、どれだけ指導の効果があるのか、正直、自信はありませんね。ただ移動しているだけ、かな」と彼は苦笑する。

家族を上海に残して、四川省に単身赴任

 「何のために、家族を上海まで連れてきたのか分かりませんよ」と、ある家電メーカーの営業担当の日本人幹部は嘆く。

 中国滞在は10年近くになる。振り出しの上海で5年ほど働き、次は北京で3年間。事情が変わったのは昨年からだ。天津に半年間出張し、その後は家族を上海に置いたまま四川省・成都に飛ばされた。経済成長率が10%以上の都市に長期間張り付き、販売体制を整えるのが彼の仕事だ。

 3月は、日本の本社が決算を迎える会社が多い。来年度の予算も編成される時期でもある。中国の場合、ほとんどの企業が12月決算だから、今年の予算は策定済みである。しかし、2月に入って、本社から、売り上げと利益計画の上積みの指示が相次いで飛んだ。

 「やりくりも限界に近付いています」と、この家電メーカーの営業幹部はため息をつく。日本製品の競争力はなんといっても品質だ。それがあってこそ高価格で売れる。加えてブランドイメージ。しかし、品質やブランドにこだわる消費者はごく一部だという。

コメント11件コメント/レビュー

日経さんも「これからは中国」みたいな感じで煽ってらっしゃいませんでしたっけ?マスコミの方々にはフォローアップをお願いしたいものです。(2010/03/15)

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

日経さんも「これからは中国」みたいな感じで煽ってらっしゃいませんでしたっけ?マスコミの方々にはフォローアップをお願いしたいものです。(2010/03/15)

出先・現場の安全衛生の確保なんて日本企業にはそんな文化もシステムもありません。出先に危険があるとかの情報は縦割り組織のどこかで消えるようになっていて、上には上がらないのです。(国内出張で1度ならず遭難しかけているのでよく判ってます)トヨタのリコール騒動にもそういう傾向がちゃんと出ています。で、事が起こって大きな損失を被ってようやく気づくのですが、喉元過ぎればなんとやらです。どこの地域にどんな危険が潜在してて、どういう方法で回避すれば安全に円滑に業務を遂行できるかなんてマニュアルが整備できている企業などほとんどないでしょう。(2010/03/08)

先にもコメントされている方がおられましたが、確かに、今、日本企業の中国進出状況は、太平洋戦争時の日本軍に似ていますね。兵站も十分でなく、現地状況も把握しないで戦線を拡大している。こんな事をやっていると、日本製品不信という敗戦で終わるかも知れません。製品の質とアフターサービスは、製品を長く買ってもらう大切な条件です。特に、中国は、マルクスレーニン主義独裁国家ですから、何か事あれば、日本企業は、石もて追われることになるかも知れません。日本政府も、こうした状況ふまえて、きちんとした指標を示すべきです。この問題は、本社から十分な資金供給がないまま、走らざるを得ないで、現地の工場を運営している友人などの話を聞くと、もっと、大きく話題にしなければと思っておりましたが、これがきっかけで、認識が広がることを期待します。(2010/03/08)

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