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国際女優チャン・ツィイーの義捐金スキャンダル

四川大地震の被災者救済、金額の多寡で盛り上がるネット社会

2010年3月5日(金)

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 2008年5月12日、四川省汶川県(ぶんせんけん)を震源として発生したマグニチュード8.0規模の大地震は、四川省を主体として死者6万9130人、負傷者36万7854人、行方不明者1万7824人を出す大惨事となった。この地震はその震源地の地名に因(ちな)んで“汶川大地震”と命名されたが、日本ではこの地震を「四川大地震」と呼ぶ。

どの程度、被災者の手に届いたのか分からない

 地震の発生後、中国政府は被災者に対する救援活動を展開したが、これに呼応する形で、被災地区に対する義捐活動も活発に行われた。2009年8月14日付の全国紙“中国青年報”が報じたところでは、清華大学公共管理学院のあるグループが半年間を費やして調査した結果では、四川大地震に対する全国各地からの義捐総額は767.12億元(当時のレートで約1兆1500億円)であり、その内訳は義捐金が653億元(同約9800億円)、義捐品が金額に換算して114億元(同約1710億円)であった。

 しかし、この中国の慈善史上で空前の義捐金額の約80%は「臨時収入」として政府の財政に繰り入れられ、その上で被災地区に振り分けられたということだが、残念ながら実際に義捐金・品がどの程度の比率で被災者の手に届いたのかは分からないのが実情である。

 さて、中国では義捐金は、中国政府に認定された“中国紅十字総会(中国赤十字本部)”、中華慈善総会および全国に16ある公的募金会を通じて行うことになっており、勝手に災害義捐金を集めることは許されていない。一方、これらの認定された組織に対して組織・団体や個人が贈った義捐金額は公開となっていることから、大企業や著名人の義捐金額がメディアやインターネットを通じて報じられ、2008年5月下旬に大きな混乱を巻き起こしたのである。

 それは大企業や著名人であれば、その規模、地位、収入に見合った義捐金額を贈るべきであるということから、インターネットの掲示板に義捐金額が少ない大企業や著名人を非難する書き込みが殺到したのである。

「姚明はケチ」「愛国者ではない」

 中国出身で北米男子プロバスケットリーグNBAのスタープレーヤーである姚明(ヤオミン)は中国の国民的英雄として親しまれている。雑誌「フォーブス」中国語版の2008年3月号に掲載された「中国有名人富豪ランキング」によれば、姚明は第1位にランクされ、その2007年の年収は3億8780万元(当時のレートで約58億1700万円)となっていた。

 四川大地震による大災害を知った姚明が、中国国内の代理人を通じて中国赤十字に贈った義捐金は50万元(同約750万円)であった。この金額がメディアによってを中国国内に報じられると、約4億元もの年収があるにもかかわらず、天下の姚明の義捐金がわずか50万元とは余りも少ないのではないかという非難が巻き起こり、インターネットの掲示板には「姚明はケチ」であるとか「愛国者ではない」といった類の書き込みが溢れた。

コメント4件コメント/レビュー

下卑た連中の下品な物言いに吐き気がする。拝金主義とソレに付随する感覚は、ウォール街の住人や中国人にしか解らないと思う。日本人である私は、決して理解したくない。(2010/03/06)

「世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」」のバックナンバー

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「国際女優チャン・ツィイーの義捐金スキャンダル」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

下卑た連中の下品な物言いに吐き気がする。拝金主義とソレに付随する感覚は、ウォール街の住人や中国人にしか解らないと思う。日本人である私は、決して理解したくない。(2010/03/06)

義務でも何でもない義援金の額に、影でケチをつけるだけならいざ知らず、表立って非難されるとは、厚かましいというか何ともメンド臭いお国柄ですね。ここで名前が上がった著名人が皆海外に移住しているのにも納得です。(2010/03/06)

事務方が忘れるなどありえない。小遣い程度の金額ではないからだ。受け取り手は感謝状やらセレモニーで既成事実化し貰う気満々、しかし払い手はその上を行ってマスコミに名を流して広告代わりに使い後は知らぬ顔。どちらもさすがだ。こんな場合、払えば中国人は許す。間違いなく許す。だからギリギリまで払わない。あわよくば払わずに済むからだ。四川地震後、どこでも義損金を払わない人は非国民呼ばわりだった。が、払わなかった人も結構いる。どこに自分の寄付がいくか解らないからだ。私もそうだ。しかし、信じて無理して義捐金を送った人も多い。意外と思われるかもしれないが、中国人が一丸となることは少ない。広大な国ゆえ多民族国家ゆえ、せいぜいが同郷どまりだ。が、この時はまとまった。唯一プラス評価に値することだったと彼らは思っているようだ。(2010/03/05)

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三品 和広 神戸大学教授