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「世界の工場」に人手不足再来

景気回復で受注急増、台湾系大手EMSが賃上げ

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2010年3月5日(金)

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加薪季来臨 仁宝電脳漲薪15%

経済観察報記者 万暁暁

中国工場での従業員の採用難に対処するため、台湾系大手EMS(電子機器の生産受託サービス)のコンパル・エレクトロニクス(仁宝電脳)は、生産ラインで働く作業員の賃上げに踏み切った。同社はノートパソコンのOEM(相手先ブランド生産)では世界最大手。賃上げ幅は最高で15%に達すると見られている。

 同社のCFO(最高財務責任者)を務める呂清雄は、2月25日、本紙(経済観察報)に対して賃上げの事実を認めた。「確かに基本給を引き上げた。これは当社の生産コストにいくらかの影響を与えるが、その程度は大きくない」と、呂清雄は説明する。

 華南の珠江デルタや上海周辺の長江デルタの工業地帯では、2009年後半から人手不足が顕著になりつつある。世界的な人材サービス会社である米マンパワーの中国法人によれば、賃上げは企業が人手不足に対応するための最も重要な手段だ。だが、それだけでは十分ではない。賃上げと同時に、規範化された人事制度や評価制度を整備し、社内教育を拡充し、従業員に明確なキャリアパスを示さなければ、人材の定着はおぼつかない。

「中国の人手不足はもはや珍しくない」

 コンパルの中国工場では、「生産計画の達成に必要な従業員数の10%が不足している」「現在働いている従業員を引き留めるため賃上げに踏み切った」とささやかれている。この噂について、呂清雄は次のように否定した。

 「今般の人手不足は、旧正月シーズン(今年の元旦は2月14日)に従業員の多くが帰省したことが主因だ。それに、中国の人手不足はもはや珍しい現象ではない*

*珠江デルタや長江デルタの工業地帯は世界不況前の2005年から2008年前半にかけても人手不足に陥り、賃金が大幅に上昇した。

 内情に通じた人物によれば、賃上げ後の給料は「生産現場の作業員の場合、社会保険料などを引いた手取りで月額1800~2500元(約2万3400円~3万2500円)」という。コンパルの中国工場の従業員は約2万2000人に上り、単純計算では月当たりの人件費が660万元(約8580万円)前後増加する。

 しかし、コンパルでは「当社の業績や生産計画に影響はない」と説明している。同社の2010年1月のパソコン出荷台数は430万~440万台に上り、EMSとしては世界トップだ。このほど発表した2009年度決算では、売上高、純利益ともに過去最高を更新した*

*コンパルの2009年12月期の売上高は6262億1800万台湾ドル(約1兆7221億円)、純利益は192億800万台湾ドル(約528億円)。

 本社は台湾の台北だが、メーンの生産拠点は中国の江蘇省昆山市である。ノートパソコンや各種のIT(情報技術)機器を生産する工場が4棟あり、今年末までに5棟目が竣工する予定だ。

 工場のある関係者は、「(人手不足を補うため)残業とシフト勤務で生産計画を維持している」と明かす。昆山市には、コンパルの他にも多数の台湾メーカーが進出している。今年の旧正月シーズンは、仕事始めはもともと旧暦9日(2月22日)の予定だったが、「一部の台湾メーカーは旧暦3日(2月16日)から操業を始めた」という。

 工場の人事部門では、遠隔地での“出張採用”を増やしている。旧正月明け早々の2月20日、コンパルは他の台湾企業数社とともに4台の大型バスを連ねて河南省開封市に向かい、現地で220人を採用した。

 他の大手EMSの状況もコンパルと似たり寄ったりだ。ノートパソコンのOEMで世界首位の座を昨年コンパルに譲ったクアンタ・コンピューター(広達電脳)も、賃上げで従業員の流出を防ごうとしている。

コメント3件コメント/レビュー

賃上げ策は、一時的な対策にしかならないでしょう。どこも同じように賃上げしたら、コスト破壊が起こりますから。一人っ子政策の子らが大卒でホワイトカラーで仕事するようになり、農村出身の子らも仕事選びをするようになってしまった今、中国の製造能力も底が見え出しているのかもしれません。(2010/03/08)

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いただいたコメント

賃上げ策は、一時的な対策にしかならないでしょう。どこも同じように賃上げしたら、コスト破壊が起こりますから。一人っ子政策の子らが大卒でホワイトカラーで仕事するようになり、農村出身の子らも仕事選びをするようになってしまった今、中国の製造能力も底が見え出しているのかもしれません。(2010/03/08)

中国は本当に広い、情勢が様々ですね。先週は北京の高学歴低所得者の話題で、今週は人手不足で工場賃上げとは。(2010/03/05)

中国、台湾の半導体や電子製品の外注先でも一部で低マージンのビジネスを忌避する動きが出ていると聞くがコスト面からの要求なのだろうか?(2010/03/05)

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