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2010年、この建築プロジェクトに注目

超高層ビルなど世界の建築プロジェクトの現状を見る

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2010年3月8日(月)

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James S. Russell (Bloomberg建築コラムニスト)
米国時間2010年3月1日更新 「Global Architectural Highlights, 2010

 アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ首長国にそびえ立つ、世界最高層ビル「ブルジュ・ハリファ」(828メートル)。最高峰の建築工学を駆使して驚きの細さで超高層建築を実現し、今年1月にオープンした。このビルは、世界の表舞台に躍り出たドバイの国力の象徴とも見えるし、成金の驕りの象徴とも見える。どちらの見方が適切か、ご判断は読者に委ねたい。

 世界の超高層ビルや目玉建築物を建てる建築業界の命運は、将来見通しの変化に大きく左右される。現在、専門家の多くは、豪華絢爛な建築物の時代は終わると見ており、金融危機後の状況は複雑で、予測するのが難しい。

 ブルジュ・ハリファの開発を手がけたドバイの政府系不動産開発最大手エマール・プロパティーズは、ブルジュ・ハリファの高層マンション物件の分譲価格を大幅に値下げしても、利益を上げられる余地がある。エマールは、労働者を不当に搾取して国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW、本部:米ニューヨーク)の怒りを買うほど、徹底して建設工賃を抑え、ブルジュ・ハリファの建設費をわずか15億ドル(約1300億円)に抑えたからだ(ブルジュ・ハリファのエレベーターが竣工後すぐに故障して、124階の展望台を閉鎖する羽目に陥ったのも、あまりに工事費を低く抑えようとしたのが原因ではないか?)。

 だが、米シカゴに本拠を置く大手建築設計事務所スキッドモア・オーウィングス・アンド・メリル(SOM)(及びSOM元パートナーの著名建築家エイドリアン・スミス氏)が設計したブルジュ・ハリファの眺めは、批判筋も一般訪問者も一様に賛嘆し、建設時のいきさつを忘れさせてしまうほど優美だ。

 世界的な信用収縮によってアジアや中東で多くの超高層ビルの建設プロジェクトが延期や中止に追い込まれている中、ロシア、サンクトペテルブルクでロシア政府系エネルギー大手ガスプロムが手がける超高層ビル「オフタ・タワー」(400メートル)は、都市景観を損なうとの反対論が収束すれば、予定通りに竣工する可能性がある。この事業は、建設許可は下りているが、まだ着工はしていない。

商業用不動産市場の低迷で米国のプロジェクトは壊滅状態

 米国の超高層ビルの建設熱は何年も前に冷めてしまった。そして今、中国・深圳やドバイで過熱気味の建設ブームが見られる中、米国は商業用不動産市場の大幅な低迷に直面している。

 米シカゴでは、スペインの著名建築家サンティアゴ・カラトラバ氏が設計した、空高くそびえる超高層居住用ビル「シカゴ・スパイア」(150階建て、610メートル)が、新たなランドマークになるはずだった。しかし、巨大な基礎工事の穴が空いたままこの計画は頓挫。現在、この穴を今後どうするかについて、米シカゴ建築クラブがアイデアを募っている。

 近年の超高層ビル建設ラッシュの間に米ニューヨーク市のマンハッタンに建設されたビルで唯一、長く存在感を発揮しそうなのが、「ビークマン・タワー」だ。世界的建築家フランク・ゲーリー氏が設計を手がけた76階建ての高級マンションで、外壁は波打つ金属で覆われ、きらびやかに輝いている。昨年完成したこのタワーは、高級住宅市場縮小のあおりでビルの高さが半分に削られるのをあやうく逃れた。このタワー以外では、ニューヨークやロサンゼルスでの大規模建設プロジェクトはほとんど進展しておらず、ワールドトレードセンター(WTC)跡地の再開発も遅々として進んでいない。

 英ロンドンでは、同市で高さ1000フィート(約300メートル)を超える唯一の建物となりそうなビルの建設が昨年始まった。建設中の「シャード」は、オフィスやホテル、マンションが入る複合施設となる予定で、建設計画が20年近く二転三転した。もし、読者が施工主のカタールや英不動産開発会社セラー・プロパティー・グループの立場だったら、景気状況を無視して予定通り計画を進めたいと思うだろう。だが、外壁はガラス板で覆われ、ピラミッド型の87階建てとなるこの建物は、度重なる設計変更で、当初の優美さを失った。だが、それにも慣れるしかない。シャードは恐らくこの先数十年、ロンドン一高い建物であり続けるはずだ。

地上の“監視塔”

 中国・北京の4区画の土地に立つ国営中国中央テレビ(CCTV)の巨大な社屋ビルは、まるで、米インターネット検索大手グーグルのサービスを利用する反体制派を見つけるために、北京市内を監視しているかのような外見だ――もっともそれは、高度な建築技術を駆使したこのビルが完成すればの話だ。蘭ロッテルダムを本拠とする大手建築設計事務所OMA(オフィス・フォー・メトロポリタン・アーキテクチャー)が設計し、2008年の北京オリンピック開催までに完成する予定だったCCTVの社屋ビルは、OMAによれば、現状ではいつ完成するか分からないという(この建物に隣接する高層ホテルは火災による損傷が激しいが、建設を再開するようである)。

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