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金メダリストが感謝すべきは国家か父母か

健在なハングリー精神が支える中国のスポーツ大国への道

2010年3月19日(金)

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 第21回冬季オリンピックはカナダのバンクーバーで2010年2月12日から28日までの17日間にわたって開催され、参加各国による熾烈なメダル獲得競争が展開された。このオリンピックを通じて中国が獲得したメダルは11個で、メダル獲得の国別順位はスウェーデン、フランスと並んで第8位、金メダルは5個で、国別順位はスウェーデンと並んで第7位であった。

 中国が獲得した5個の金メダルのうち4個までがスケートの女子ショートトラックによるものであり、中国は女子ショートトラックの全4種目(500メートル、1000メートル、1500メートル、3000メートルリレー)を制覇したのだった。

五星紅旗を両手で掲げてコースを回った

 女子ショートトラックの優勝者は、500メートルと1000メートルが王濛、1500メートルが周洋、3000メートルリレーは王濛、周洋、孫琳琳、張会の4人であり、最終的に王濛は3個、周洋は2個の金メダルを獲得したのだった。

2個の金メダルを獲得した周洋 © AP/アフロ
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 女子ショートトラックの最初の競技として2月17日に行われた500メートルの決勝で王濛は圧倒的な強さを見せて金メダルを獲得した。王濛はその勢いに乗じて20日に行われた1500メートルの準決勝に臨んだが不運にも失格し、決勝に進んだ中国選手は周洋ただ1人であった。

 これに対するのは強敵の韓国選手3人、他は米国、ハンガリー、ブルガリア、カナダの選手各1人の計7人。王濛の失格により周洋に金メダル獲得の期待が重くのしかかる中、8人による決勝がスタートした。

 周洋はスタートと同時にトップに立ったが、すぐに韓国の李恩星(イ・ウンビョル)選手にトップを譲って2番手に付け、1周111.12メートルのコースを13周半する競技の残り3周直前で先行する李選手を抜き去りトップに立った。それからは一気に加速して追いすがる韓国の李恩星と朴勝義(パク・スンヒ)の両選手を大きく引き離してゴールに飛び込んだ。タイムは2分16秒993のオリンピック新記録であった。コーチと抱き合った後、五星紅旗を両手で掲げてコースを回る周洋の顔には喜びの涙があふれていた。

 競技を終えた周洋を待ち受けていた中国の“中央電視台(中央テレビ局)”から金メダルを獲得した感想を問われて、「金メダルを取って変わることはとても多い。間違いなく自分にもっと自信を持たせられるし、お父さんとお母さんの生活を少しでも楽にしてあげられる」と周洋は笑顔で答えた。翌22日に行われた女子ショートトラック1500メートルの表彰式で金メダルを授与された周洋は、中国国歌“義勇軍行進国”が流れる中で国旗掲揚台に上る“五星紅旗”をその歌詞を口ずさみながら感慨深げに見つめていた。

 2月24日に行われた女子ショートトラック3000メートルリレーの決勝では、韓国チームが1位でゴールし、中国チームは2位に終わった。しかし、競技終了後に行われた審議の結果、韓国チームは進路妨害があったと判定されて失格となり、中国チームが逆転で1位となった。この幸運により中国チームはこの種目で初めて金メダルを獲得したし、周洋と王濛はともに2個目の金メダルを獲得した。そして、26日に行われた女子ショートトラック最後の種目、1000メートルで王濛が3個目の金メダルを獲得したのだった。

「優勝の感想を述べる際は、国家を前面に置くべき」

 さて、“中国人民政治協商会議第11期全国委員会第3回会議”(以下「全国政協」)は2010年3月3日から13日まで北京で開催されたが、3月7日に行われた全国政協のスポーツ部会討論会の席上、国家体育総局副局長で国際オリンピック委員会副会長の于再清は冬季オリンピックにおける周洋の発言を念頭に置いて次のような話をしたのであった:

コメント7件コメント/レビュー

ハングリー精神、という美辞麗句で中国のものすごい格差、人間らしい生活が送れない状況を正当化してしまっているようにも感じてしまう。イビチャ・オシム氏が言っていました。「ハングリー精神で勝てる、というのなら貧しい国が常に強いということになる」(そうじゃないし、本来それっておかしいだろ?)と。他方日本のスポーツ界も貧しいです。大した助成もないのに、前のコメントのごとく豊かな勤労者様からすぐ「税金の無駄遣いザマス」と叩かれ貶められる格差に喘いでいます。いろいろな意味で日本の状況を加味した結論にしていただきたかった。(2010/03/21)

「世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」」のバックナンバー

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「金メダリストが感謝すべきは国家か父母か」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ハングリー精神、という美辞麗句で中国のものすごい格差、人間らしい生活が送れない状況を正当化してしまっているようにも感じてしまう。イビチャ・オシム氏が言っていました。「ハングリー精神で勝てる、というのなら貧しい国が常に強いということになる」(そうじゃないし、本来それっておかしいだろ?)と。他方日本のスポーツ界も貧しいです。大した助成もないのに、前のコメントのごとく豊かな勤労者様からすぐ「税金の無駄遣いザマス」と叩かれ貶められる格差に喘いでいます。いろいろな意味で日本の状況を加味した結論にしていただきたかった。(2010/03/21)

貧しさから抜け出すためのハングリー精神が日本にはないとするなら、喜ばしいことだ。中国的貧しさがないというのは、メダル以上の誇らしいことではないか。貧しさからスポーツで抜け出すなど13億分の何十。貧困対策の不十分な国家にまず感謝しろ、といわれれば建前するだろうが、誰も心底思ってないのは明らか。こと左様に現中国は時間をかけて中から崩れていくのだろう。日本は日本の道を歩けばいい。(2010/03/20)

スポーツに投資しても食べていける人はそれを受けている人だけです。人に国家が投資すには発明や発見の出来る頭脳の天才に投資すべきです。うまく行くとその発明や発見で国家全体が食べていけるようになります。人はスポーツに対しては天才を信じますが、頭の良さに対しては天才は信じず努力すれば追いつけると思いますがそうではありません。頭脳の天才を利用して皆が食える道を作るべきです。(2010/03/20)

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