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「世界の工場」向け労働者派遣サービスが活況

研修で出稼ぎ農民を即戦力化、収入保証や福利厚生も

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2010年3月19日(金)

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農民工“土"司令的好生意

経済観察報記者 楊陽/潘愛娟

「経営は順調だ。何の問題もない」――。人呼んで「出稼ぎ労働者の司令官」の異名を持つ張全収は、本誌(経済観察報)記者の電話取材にそうきっぱりと答えた。3月4日午後8時、彼は翌日北京で開幕する両会(全国人民代表大会と中国政治協商会議)に出席するため、深セン空港の待合室で飛行機への搭乗を待っているところだった。

 張全収は人材派遣会社、全順人力資源開発*の董事長(会長に相当)である。彼は最下層の労働力を“売買"するビジネスで成功し、(一介の出稼ぎ労働者から)企業のオーナー経営者にのし上がった。

*「人力資源開発」はヒューマン・リソース・ディベロップメントの中国語訳。人材ビジネスを手がける中国企業の社名にしばしば用いられる。

 中国の工業地帯は今、深刻な人手不足に見舞われている。中国人力資源社会保障省が発表した最新の労働需給状況調査によれば、今年必要な労働力の確保について70%の企業が「困難」または「ある程度困難」と感じている。この比率は昨年より5%上昇した。

農村に分散する労働力を集めて貸し出す

 人手不足は、張全収にとって事業拡大の絶好のチャンスである。全順人力資源開発の主力事業は、契約企業に対する出稼ぎ労働者の派遣。今年は旧正月(元旦は2月14日)が明けるやいなや、同社が擁する2万人近い派遣労働者は1人残らず各企業に引っ張られ、なお足りない状況が続いている。

 そんな中、張全収は将来への自信を深め、夢を膨らませている。「会社を成長させ、事業を多角化し、株式上場を目指したい。あきらめずに頑張り続ければ、きっと実現できるはずだ」。

 「出稼ぎ労働者の司令官」たる張全収は、正真正銘の“草の根派"だ。

 1997年に広東省深セン市にやってくるまで、彼はレンガ工場の職工などきつい仕事をいくつも経験してきた。当時の深センでは、故郷を離れて出稼ぎに来た大勢の若い農民が仕事をうまく見つけられずにいた。生来ビジネスの嗅覚が鋭い張全収は、工場の希望に応じて労働者を集め、仲介手数料を受け取る商売を始めた。こうして初期の資金をためると、99年からは自分でも玩具工場など3つの工場を起業した。

 全順人力資源開発を創業したのは2004年8月16日のこと。初年度から6000人以上、2年目は8000人を超える出稼ぎ労働者を契約企業に派遣した。

 派遣労働者の出身地は(内陸部の)河南省、陝西省、江西省などの農村部が6~7割を占める。同社は深セン市の本社のほか、遼寧省大連市、福建省福州市、同アモイ市、広東省中山市、同珠海市に支社を置く。「まもなく上海にも支社を開設する。これで全国の主要市場をカバーできる」と、張全収は胸を張る。

 同社の事業モデルは取り立てて複雑ではない。有り体に言えば、広い農村部に分散している労働力を“買い集め"、ひとまとめにして企業に“貸し出す"サービスだ。

 「16歳以上または40歳以下で働ける者なら、うちは誰でも雇う」と、張全収は言う。事業を通じて、彼は出稼ぎ労働者たちに最低限の生活保障を提供している。例えば、派遣前の待機中でも食事、ベッド、研修は無料。さらに1日当たり40元(約520円)の手当を支給する。

 派遣中の賃金は、時給ベースの仕事なら月1500~1800元(約1万9500~2万3400円)、処理件数ベースの仕事なら月1800~2500元(約2万3400~3万2500円)の支払いを(派遣先企業からの入金の有無にかかわらず)保証する。仕事中の事故や重病も派遣会社がまとめて面倒を見る。

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