• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

原発事業に突き進む仏アレバ

  • BusinessWeek

バックナンバー

2010年3月23日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

世界で原発見直しの機運が高まる中、仏アレバは最新鋭の原子炉で攻勢をかける。安全性が評価される一方、コスト競争力では韓国・ロシア勢に押され気味だ。原発周辺サービスや代替エネルギーにも布石を打ち、業界トップの座を死守する構えだ。

 仏原子力大手アレバのアンヌ・ローベルジョンCEO(最高経営責任者、50歳)の10年越しの賭けが、ついに結実しそうだ。同CEOは2001年に独仏の原発関連企業3社を統合し、新生アレバとして原発関連技術を世界に一元供給できる体制を整えた。だが、当時は無謀な戦略との見方が大勢を占めた。

 米国は1979年のスリーマイル島事故以来原発を作っておらず、86年のチェルノブイリ原発事故後は、原発推進派のフランス以外では需要は消え失せた。現在世界で稼働する原子炉は436基と、90年から20基しか増えていない。顧客など現れないと思われた。

 だがローベルジョンCEOは需要減退をものともせず、技術陣を「EPR(欧州加圧水型炉)」と呼ばれる新技術の開発に取り組ませた。EPRは出力が大きく、低燃費で、ジャンボ機の衝突にも耐えられる強化コンクリートの防護壁など安全対策も充実している。

 米国などが原発の新設再開に動き始めた今、同CEOはEPRを大展開しようとしている。世界では何百基もの原子炉建設計画がある。既に53基が建設中で、そのうち3基がEPRだ。米国は電力会社の次世代原子力発電所の建設を促すため、540億ドルの債務保証を実施する政策を打ち出した。

 ローベルジョンCEOはEPRが今後20年にわたり、世界の新規原子炉需要の3分の1を占めるはずだと語った。加えて総額115億ドルに上るアレバの資産には、アフリカのウラン鉱山をはじめ、燃料ペレットから巨大な原子炉収容施設まで幅広い製品を手がける工場があり、業界トップの座は安泰だ、と自信を見せる。

 だが仏メディアによると、同CEOは賭けの報酬を手にする前に退任を迫られる可能性がある。ニコラ・サルコジ仏大統領はフランス電力公社(EDF)元社長のフランソワ・ルセリ氏に、アレバをはじめとする国内原子力業界の包括的な見直しを求めており、報告書の提出期限が4月に迫っている。

新型炉重視を批判する声も

 アレバは複数問題を抱えている。まずフィンランドでのEPR第1号の建設が予定より3年遅れている。コストは41億ドルの予想が72億ドルに上昇、契約価格は固定されているので、費用の増加分は同社の利益を圧迫する。

 昨年12月には、アラブ首長国連邦アブダビに原子炉4基を供給する契約を逃した。韓国電力公社(KEPCO)がアレバの提示価格より100億ドルも低い200億ドルで受注をさらった。

 EDFやアレバと組んで入札した仏石油大手トタルの幹部は、最先端の原子炉に入れ込み、低価格モデルの開発を怠ったローベルジョンCEOの戦略に疑念を呈する。EDFのアンリ・プログリオ社長は「各国のニーズに配慮した品揃えが必要だ」と批判する。一方ローベルジョンCEOは、顧客には最高の技術を提供すべきだと反論する。

 同CEOの苦境は、高コストという原発そのものが抱える問題を映している。エネルギー不足への危機感と、地球温暖化の脅威を受けて、確かに政策立案者や環境活動家の間では原発見直しの機運が高まっている。だが過去10年で原発の建設コストは従来型の発電所の2倍の速さで上昇した*1

*1=IHS Cambridge Energy Research Associatesの調査から

 米ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、原発を建設する電力会社には格下げの恐れがあるとする。同社アナリストのジム・ヘンプステッド氏は、米政府の債務保証で資金調達は容易になっても、規制当局がコスト増加に見合うだけの電気料金の引き上げを認めないという「より大きなリスクの解決にはつながらない」と語る。

コメント1

「Bloomberg Businessweek」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

定年後の社会との断絶はシニアの心身の健康を急速に衰えさせる要因となっている。

檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師