• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

人民元切り上げ、中国製造業の損得勘定

企業によって悲喜こもごも、海外進出が加速へ

  • 経済観察報

バックナンバー

2010年3月26日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

製造業:有人歓喜有人憂

経済観察報記者 張斌/胡蓉萍

「人件費が上昇し、原材料も値上がりしている。金融危機後の不景気からやっと少し回復したばかりなのに、もしも人民元が切り上がったら、にっちもさっちもいかない」

 そう冴えない表情で語るのは、浙江省紹興市で染物工場を経営する金氏だ。彼の説明によれば、工場の利益率はわずか2~3%。「仮に(人民元の対ドルレートが)5%上昇したら、コストアップは製品価格に転嫁できない。工場を畳んで商売替えするしかないよ」と肩を落とす。

 しかし中国の製造業にとって、人民元切り上げは必ずしも悪いニュースとは限らない。原材料を輸入に頼る業界では、人民元高はむしろプラスの要素になる。

 現実には、(人民元が近い将来切り上がるという観測に対して)製造業の反応は悲喜こもごもだ。では、人民元高を成長の足がかりにできるのはどんな企業で、淘汰を迫られるのはどんな企業だろうか。

「競争力の源泉は為替レートではない」

 為替レートの変動の影響は、製品の輸出比率や原材料の輸入比率が高い企業ほど大きい。その典型が、紡績やアパレルに代表される労働集約型の加工貿易業である。

 仮に人民元が5%上昇すると、こうした企業では原材料の輸入は有利になる。その半面、製品の輸出は厳しい事態に直面する。企業全体としての損得勘定はプラスだろうか、マイナスだろうか。

 この問いに対し、浙江省のアパレルメーカー、奥奔ニー服装の董事長(会長に相当)の鄭晨愛はこう言い切る。

 「人民元切り上げは、我が社には特に大きな影響はない。なぜなら、当社の主力事業はODM(デザインや設計の段階から請け負う相手先ブランド生産)だからだ。仮に出荷価格を上げても、バイヤーはそれを受け入れるしかない。当社の損失はほとんどない」

 彼女の主張によれば、企業の競争力の源泉は設計力、創造力、トレンドをつかむ能力などであり、人民元の為替レートではない。彼女の会社に限らず、アパレル業界全体がそのようにあるべきだという。

 「2006年に人民元の対ドルレートは一貫して上昇したが、アパレル業界の輸出額は意外にも過去最高を記録した」と、鄭晨愛は自説の正しさの根拠を挙げる。

 過去の経験を振り返ると、人民元レートの調整*が行われる度、貿易依存度の高い業界では大きな再編が起きている。そして、再編後は業界の二極化現象がますます進む。強い企業はより強くなり、弱い企業は淘汰を迫られるのだ。

*中国は1994年に人民元の対ドル公定レートを33%引き下げ、レートを事実上固定した。その後、2005年7月に管理フロート制に移行し、対ドルレートは2008年までに約20%上昇した。しかしリーマンショックの発生後、再びレートを固定している。

「中国発 経済観察報」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本の経営者は、経験を積んだ事業なら 失敗しないと思い込む傾向がある。

三品 和広 神戸大学教授