• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

バフェット氏のCEO操縦法(上)

  • BusinessWeek

バックナンバー

2010年4月6日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

「オマハの賢人」と呼ばれる投資家ウォーレン・バフェット氏。出資先企業のCEOを温かく見守り、適切な助言を与えることで知られている。だが実は、常に収益第一で、ビジネスライクな人物でもある。

 誰もがウォーレン・バフェット氏に助言してもらいたいと思う。彼と昼食を取る権利に100万ドル以上払う者までいる。同氏が株式を保有する企業の経営者たちは、彼の忍耐力や先見性、複雑な経済情勢の本質を数語で表す能力を素晴らしいと絶賛している。そして、なすべきことをやっている限り干渉してこない点も気に入っている。

笑顔の陰に鋭い牙

 だが、時にバフェット氏はあまり知られていない一面を見せる。口を出さない投資家として知られるとはいえ、出資先企業の経営が気に入らないと一転、自らの投資を守るための行動に出る。裏に手を回して説得したり、叱責したり、機に乗じて取引を行ったり、トップ人事に踏み込むことすらある。その標的となった者は、まるでサンタクロースに攻撃されたかのように感じるだろう。

 79歳のバフェット氏の知恵と投資哲学は世界に鳴り響いている。2月中旬、同氏率いる投資会社バークシャー・ハザウェイが初めてスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)500株価指数銘柄入りすると、同社の株価は急上昇した。彼が毎年したためる「株主への手紙」は、その年最もよく読まれ分析される文書として知られる。

 昨年バフェット氏は米鉄道大手バーリントン・ノーザン・サンタフェ(BNSF)を買収し、米金融大手ゴールドマン・サックスに50億ドル出資した。これにより、石炭から債務担保証券まで多岐にわたる事業を展開する同氏は、世界経済の回復に大きく左右される立場となった。また、米食品大手クラフト・フーズによる英製菓大手キャドバリーの買収に反対してクラフトのアイリーン・ローゼンフェルドCEO(最高経営責任者)を公然と叱責したことで、笑顔の裏には鋭い牙が隠れていることも証明された。

 筆者は、彼の投資する企業のCEOに対する取材と、バフェット氏の伝記『スノーボール』を執筆する際、本人に取材した経験から、彼のCEO操縦法が分かってきた。確かに柔和で協力的な人物ではある。

 米ワシントン・ポスト紙のドナルド・グラハムCEOは、「以前は母キャサリン、今は私が彼に様々な問題で助言を求めている。彼の助言は我々にとって数十億ドルの価値がある」と語る。

 信用危機が起きた2008年3月、米金融サービス大手アメリカン・エキスプレス(アメックス)は、貸し倒れや運転資金の調達が困難なのではないかとの懸念から株価が下落。同社の株式13%を保有するバークシャーも80億ドルの評価損を被った。この時、ケネス・シュノールトCEOはバフェット氏に助けを求めた。同CEOは恐る恐る電話したに違いないと思うかもしれないが、彼は支持してもらえると確信していたという。

 実際、バフェット氏は緊迫した事態にも動揺せず、「客観的かつ率直で、信念があった」とシュノールト氏は振り返る。同社は当時、競合同様、配当を削減するよう求められていたが、バフェット氏は「配当金を減らして評判を落とすべきではないことを理解してくれた」という。以来バークシャーの持ち株評価額は 40億ドル戻っている。

 友人でもあるCEOに助言以上のものを与えた例もある。米石膏ボード最大手USGのウィリアム・フットCEOとは、2006年にバークシャーがUSGの増資を支援して17%の株式を取得して以来のつき合いだ。同社は再建途上だったが、バフェット氏はフット氏の経営に干渉しなかった。フット氏はよく電話で相談し、年2~3回バフェット氏が住むネブラスカ州オマハを訪ねた。そんな時も「質問に答え、見通しを語るが、指図はしなかった」という。フット氏は自分を信頼して干渉しないバフェット氏をありがたく思った。

 その後、住宅市場が崩壊し、住宅建材需要が激減すると、バフェット氏は渦中に飛び込んだ。USGが発行する償還期限2018年、利回り10%の社債4億ドルのうち3億ドルを引き受けた。これには好きな時に1株11.40ドルでUSG株に転換できるオプションがついていた(*1)。この付加価値によって債券価格は上昇し、一方USGの損益計算書への影響はバークシャーに支払う利息3000万ドルだけで済み、年間数億ドルの赤字だったUSGを助けることになった。

*1=取引成立前に約5.66ドルだったUSG株は現在約13.40ドルで、オプション行使時に利益が出る(イン・ザ・マネーの状態)にある

クラフトCEOをテレビで批判

 バフェット氏がCEOに対し、不満な時は、言わないことから大体分かる。「あえて触れなかったり気のない褒め方をしたりするのは、批判している時だ。よく観察すればすぐ分かる」。米銀大手ウェルズ・ファーゴの元会長で、バフェット氏の古い友人であるリチャード・コバセビッチ氏は言う。

コメント1件コメント/レビュー

 バフェット氏の考え方はシンプルです。「中身の無い事はするな。」という事でしょう。だから、安易に事業を切り売ったりして利益を出す事に走る経営者を嫌うのでは。(2010/04/06)

「Bloomberg Businessweek」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

 バフェット氏の考え方はシンプルです。「中身の無い事はするな。」という事でしょう。だから、安易に事業を切り売ったりして利益を出す事に走る経営者を嫌うのでは。(2010/04/06)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本の経営者は、経験を積んだ事業なら 失敗しないと思い込む傾向がある。

三品 和広 神戸大学教授