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中国最後の「ダムのない大河」は守れるか

発電所建設へ地元政府が暗躍、環境保護団体は反発

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2010年4月23日(金)

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上書発改委 怒江水電開発“復活”潜流

経済観察報記者 陳勇

雲南省の山間部にある怒江リス族自治州*。中国のどの地方より、この自治州ほど経済発展を渇望しているところはないだろう。特殊な地理的位置と豊富な天然資源を背景に、自治州の為政者は代替わりを重ねても意欲の衰えを知らない。目指しているのは、十年にわたり論議を呼び続けている水力発電所の開発だ。

*雲南省北西部のミャンマー国境沿いにあり、人口の9割以上を少数民族が占める。チベットに源流を発する怒江(サルウィン川)が自治州を北から南に流れ、中国有数の深い峡谷を形成している。

 自治州政府は、今年3月の両会(全国人民代表大会と中国政治協商会議)の雲南省代表団に水力発電所開発への提案を託した。両会でこれが採択され、中央政府からの支持を取り付けることを期待したのだ。

 「水力発電所の開発には前向きかつ穏当な態度で臨む。(ダム湖予定地の)住民の移住と環境アセスメントの問題が解決されるまで、開発は許可しない」。両会の会期中の3月7日、雲南省長の秦光栄は記者会見でそう語った。

中央政府の認可なしで工事を強行

 ところが現実には、水力発電所建設の歩みは止まっていない。2003年に自治州政府が水力発電所の計画を初めて提起した時には、大きな論争が巻き起こり、環境保護当局の認可が下りなかった。にもかかわらず、六庫発電所*および怒江流域の発電所の建設準備はなしくずしに進められた。

*怒江リス族自治州の州府がある六庫鎮で計画されている水力発電所。

 2008年には、中央政府の認可が下りていないにもかかわらず、怒江水力発電所の準備工事が着工した。また、「社会主義新農村建設*」の推進という名目で、ダム湖予定地にある村の住民の移住が強行された。

*胡錦濤政権が2005年10月の中国共産党大会で提起した農村振興計画。都市部に比べて生活水準が低い農村部の経済発展を後押しするため、道路、電力などのインフラ建設に予算を投じている。

 現在、六庫発電所の工事現場の正門はピタリと閉まっており、工事は中断されている。だが、そこには突貫工事が行われていた形跡が見て取れる。ダムの堰の基礎工事である周辺の構造物も既に建設されていた。「工事を中断したといっても、全部作ってから止めたんだ。見ればわかるさ」。たまたま通りかかった村民の密龍岳は、そう語った。

 「ダム建設派は『口をつぐんで進める』作戦に出ている。そうやって発電所を既成事実化したいのだ」。中国の環境NGO(非政府組織)「緑色流域」のリーダーを務める于暁剛は、そう強く批判する。

 一方、リス族自治州発展改革委員会の主任である張晋宣は、経済振興の観点から次のように言い切る。

 「地元に豊富な資源があるのに、貧しさゆえに飯乞いしている現状は改めなければならない。将来は電力と鉱物資源を自治州の基幹産業とし、大型の発電所や鉱山の開発を進める」

 自治州政府のある役人は、「仮にこのプロジェクトが国家レベルの計画だったら、とっくに着工されていたはずだ。年末には国の第12次5カ年計画に組み込まれ、正式に着工できるのではないか」と漏らした。

 このコメントについて張晋宣に質すと、彼は表情を変えることなくこう答えた。

 「国には国の考えがある。最終的な決定を待ち、手順を踏んで進めるということだ。いずれにしても、これほど豊富な資源をずっと開発しないことはあり得ない」

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