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エンジェル投資家が米国経済を救う

アップルやアマゾン、グーグルもエンジェル投資家の出資を受けた

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2010年4月26日(月)

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Chris Farrell (BusinessWeek誌、経済エディター)
米国時間2010年4月19日更新 「The U.S. Economy Needs a Host of Angel Investors

 米金融業界には改革が必要だ。米国の雇用創出の原動力となる中小企業もまだ不調で、経済は順調な成長軌道に戻っていない。もはやエンジェルに助けを仰ぐほかないのかもしれない。

 エンジェルといっても、大天使ガブリエルなどに助けを求めようというわけではない。どういうことか説明しよう。

 現在、米ワシントンで最大の焦点となっているのが金融制度改革だ。4月16日に米証券取引委員会(SEC)が米金融大手ゴールドマン・サックスGS)を詐欺の疑いで提訴したことで、金融改革の機運が一段と高まっている。

 金融規制改革が必要なのは間違いない。金融システムを改革しなければ、大手金融機関を「大き過ぎてつぶせない」とする既存の政策の下では、金融業界が米経済を再び破綻の危機に追いつめることは目に見えている。国際的な規模で活動する大手金融機関は、民間企業として利益を追求しながら、損失が出れば公的資金で救済してもらえる現行制度の実態を知ってしまったからだ。

 とはいえ、金融危機の再発防止に力点を置くあまり、より根本的な問題がなおざりになっている点が気がかりだ。重要なのは、「貯蓄率向上」と「投資の適正化」だ。暴利をむさぼる金融業者の懐を潤すだけの証券化商品やデリバティブ(金融派生商品)などの数百兆円規模の投機的取引ではなく、投資をいかに起業やイノベーション、知識集約型産業へ向けさせるかが、本当に取り組むべき課題なのだ。

 カナダのトロント大学ロットマン経営大学院マーティン繁栄研究所のリチャード・フロリダ所長は著書『The Great Reset: How New Ways of Living and Working Drive Post-Crash Prosperity(仮訳:抜本的立て直し―金融危機後の繁栄をもたらす新たな生き方・働き方)』の中で、「リスクが極めて高い、高レバレッジの投機的な分野に資金が流れるような、現在の金融システムを改革する必要がある。金融市場は投機の助長ではなく、イノベーションと実体経済の成長を促進するという、本来の理念と目的に立ち戻るべきだ」と述べている。

 金融の役割を原点に戻すための1つの手段は、エンジェル投資家による投資の促進だ。エンジェル投資家とは、主に起業家や元起業家から成り、ベンチャー投資会社の出資対象となるにはまだ創業から日が浅く、十分な事業実績がない新興企業に出資する個人投資家のことだ。主に年金基金などの機関投資家から集めた資金を運用するベンチャー投資会社とは異なり、エンジェル投資家は自己資金を個人のリスクで投資する。

アップルやアマゾン、グーグルもエンジェル投資家の出資あり

 起業やイノベーションを支援する投資を誰よりも先に行うのがエンジェル投資家だ。エンジェル投資家の投資が成果を上げてきた頃にベンチャー投資会社が現れ、エンジェル投資家が育てた企業の事業強化にあたる。

 エンジェル投資家の投資対象は実在する企業であり、債権資産を証券化したCDO(債務担保証券)などではない(CDOのような複雑な金融商品は“悪魔の創造物”だという人もいる)。

 現在の著名企業も、その多くはエンジェル投資家の出資を受けて開業している。創業当初の米電子機器大手アップル(AAPL)は、米半導体最大手インテル(INTC)の幹部で株主の1人から9万1000ドル(約850万円)の出資を受けた。

 米インターネット通販最大手アマゾン・ドット・コム(AMZN)の創業者ジェフ・ベゾスCEO(最高経営責任者)はベンチャーキャピタル数社から出資を断られた後、十数人のエンジェル投資家から総額120万ドル(約1億1000万円)の出資を受けた。

 近年で最も有名な例は、米コンピューター大手サン・マイクロシステムズの共同創業者アンディ・ベクトルシャイム氏が米インターネット検索最大手グーグル(GOOG)に10万ドル(約930万円)出資したことだろう。その資金のおかげで、グーグル共同創業者のラリー・ペイジ氏とセルゲイ・ブリン氏は米スタンフォード大学の学生寮から出て、検索エンジンを本格的に売り込めるようになった。グーグルで富を築いた幹部の多くは、今度はエンジェル投資家として出資する側に回ろうとしている。

 米ミネソタ州ミネアポリスのベンチャー投資会社の幹部で、エンジェル投資家でもあるゲイリー・スメイビー氏は、「起業家は自己資金を投じてほかの起業家を支援し、同時に利益も上げようとしている」と語る。

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