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中国不動産バブルは崩壊しない

国民でなければ理解できない根深く、切実な背景とは

2010年5月6日(木)

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 最近、中国では不動産に関する引き締め措置が集中豪雨的に実施され、2009年春頃から膨らんできた不動産バブルが崩壊するのではないかとの見方が支配的となっている。頭金比率や住宅ローン金利の引き上げに加え、固定資産税の導入も検討され始めた模様だ。

引き締めと緩和は再三繰り返されてきた

 こういった市場手段だけではない。中央政府は不動産価格の過度な上昇を抑制できなければ、関係部門や地方政府のトップの責任を問う、いわゆる「問責制」も実施すると発表した。

 行政命令である以上、地方政府が競って中央政府の期待以上に抑制措置を実施する可能性が高い。その効果が不動産向け融資額や不動産価格指数、成約件数、不動産投資などの統計にすぐ反映してくるだろう。

 しかし、これらの統計に基づいて、中国の不動産バブルが「崩壊する」との結論を早急に下さないほうが賢明かもしれない。なぜかというと、過去10年間、不動産に関する引き締めと緩和は再三繰り返されてきたためだ。

 今回の引き締め措置が“劇薬”のように効き、不動産価格の下落幅が予想以上に大きくなれば、それに対応した景気刺激策の規模も大きくなる。そして、次のバブルがさらに大きくなる可能性が高い。

 また、そのバブルの原因は、ちまたで言われるように、人民元の対米ドル為替レート問題に起因する過剰流動性や、財源確保を狙う地方政府の暴走ではない。これらの見方はいずれも表層的なものだ。

住宅制度改革が始まった背景

 中国の不動産バブルにはもっと根本的な原因がある。そこにメスが入らない限り、不動産バブルが崩壊しても短期的な調整に終わり、さらに大きなバブルが繰り返されるのである。

 それは、中国の住宅制度である。

 1998年、中国は都市部の住宅制度の改革に乗り出した。それまでは、政府部門や国有企業などが福祉厚生の一環として従業員に住宅を提供してきたが、食料品や家電製品などと同様、個人がお金を払って市場から住宅を購入しなければならなくなった。

 ところが、国有企業が経営難に陥り、政府の財務状況も悪化したため、国民に無料で住宅を提供し続けることが難しくなった。そこで、市場の原理、言い換えれば民間の力で住宅を供給しようという考え方に変わった。それが住宅制度の改革の出発点となった。

 当時、中国の都市部の住宅事情は悲惨だった。

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「中国不動産バブルは崩壊しない」の著者

肖 敏捷

肖 敏捷(しょう・びんしょう)

エコノミスト

フリーのエコノミストとして原稿執筆や講演会などの活動をしている。テレビ東京の「モーニング・サテライト」のコメンテーターを担当中。2010年の日経ヴェリタス人気エコノミスト・ランキング5位。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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