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先進国の援助、中国の進出が「アフリカの今」を形作る

内発的でない民主化と工業化なき経済成長をどう克服するか

  • 武内 進一

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2010年5月20日(木)

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 アフリカと言えば、ルワンダやソマリアなどの内戦に代表される「民族紛争」を思い浮かべる人は少なくないだろう。しかし、21世紀に入って一部の紛争を除いて、多くは収束の方向にある。

 では、今後のアフリカは政治的・経済的な安定が見込めるのか――。アフリカの状況を、植民地支配からの独立で現れた国家と社会的変容という視点からの分析で2009年のサントリー学芸賞に選ばれた『現代アフリカの紛争と国家-ポストコロニアル家産制国家とルワンダ・ジェノサイド』の著者、武内進一・国際協力機構(JICA)研究所上席研究員にアフリカの政治情勢と経済環境の今についてまとめてもらった。

 ワールドカップ、希少鉱物資源、海賊問題・・・。昨今、アフリカに関する記事がしばしば新聞の一面を飾るようになった。岡田克也外相は、5月の連休中の訪問先としてアフリカを選び、普天間問題への影響を懸念する他党からの批判に対して、「アフリカ訪問を非常に軽く言うような発想には強く抗議したい」と反論した。

 アフリカはもはや、暇な政治家が物見遊山で出かけるところではなくなった。そこはむしろ、日本外交にとって、政策上の課題が山積するフロンティアである。

 資源に牽引された高い経済成長など明るい話題の一方で、ソマリア沖の海賊に象徴されるように、アフリカに様々な問題が伏在していることもまた事実である。1日1ドル未満で生活する貧困人口の半減など、国連が定めた「ミレニアム開発目標」の進展が最も遅れているのはアフリカだし、一時に比べて数が減ったとはいえ武力紛争が続く地域もある。そこでは、貧困と紛争の連鎖が明瞭に存在する。

 以下では、今日のアフリカを理解するために、やや時間軸を長く取り、近年の変化とその要因について考えてみたい。それによって、これから先アフリカがどこに向かうのか、我々がどう対応すべきなのかが見えてくるだろう。なお、本稿の議論は、主としてサハラ砂漠以南のいわゆるブラックアフリカ諸国を対象とし、「アフリカ」と述べる際はその地域を念頭に置いている。

冷戦終結が大きな転機になった

 今日のアフリカを考えるうえで、分かりやすい出発点となるのは冷戦終結である。冷戦が終わった後、アフリカ諸国は3つの大きな変化を経験した。

 第1に、民主化である。1980年代までのアフリカでは、大半の国が一党独裁や軍政など権威主義体制下にあった。しかし、冷戦終結とともに、こうした国々が続々と多党制を導入して民主化を遂げた。一党制を公式に掲げる国は、1990年代半ばにはアフリカから消滅している。政治体制の変化が劇的に進展したのである。

 第2の変化は、武力紛争の多発である。ルワンダ、ソマリア、リベリア、シエラレオネ、コンゴ民主共和国など、1990年代のアフリカでは深刻な紛争が多発し、人的、物的に甚大な被害を生んだ。ただし、2000年代に入る頃から多くの紛争が収束に向かい、今日なお深刻な武力紛争が継続しているのはソマリアやスーダンなどに限定されている。

 第3に、経済成長である。アフリカ経済は、1970年代半ばから90年代半ばまで長期的な停滞を経験した。図1に、アフリカ諸国の一人当たりGDP(国内総生産)の平均値を示す。20年にわたる経済の停滞が明らかだが、1990年代半ばからこの傾向が変化し、マクロ経済が成長を開始したことが分かる。この時期以降、赤道ギニアやアンゴラなど石油輸出をテコに高成長を遂げる国々が現れ、2000年代のアフリカ諸国は総じて好景気に沸いた。

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