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“金欠病"に悩む中国の地方政府

4兆元の公共投資に支障も、冷めぬ投資熱

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2010年5月14日(金)

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4万億計画行至半途地方項目雪球越滾越大

経済観察報記者 張向東

中国の中央政府は銀行貸し出しの蛇口を絞り、公共投資と土地利用の許認可を厳しくしている。だが、地方政府の“投資熱”は一向に冷める気配がない。中国の省政府のほとんどは、2010年の目標経済成長率を10%以上に定めている。これは、それぞれの省が少なくとも1兆元(約13兆5000億円)単位の固定資産投資(政府の公共投資と民間の設備投資の合計)を行うことを意味する。

 2008年11月、中央政府は向こう2年間にインフラ建設などに4兆元(約54兆円)を投じる景気刺激策を発動した。このうち、2010年度に中央政府の予算から支出される金額は5722億元(約7兆7200億円)である。国家発展改革委員会(発改委)の担当者によれば、この資金は主として建設中のプロジェクトを継続、完成させるために用いられる。また、発改委は地方政府に対して、プロジェクト予算の地方負担分*をきっちり確保するよう求めている。

*総額4兆元の公共投資計画のうち、中央政府の予算から支出されるのは約1兆元。残りの3兆元は地方政府の財政支出、銀行借り入れ、国有企業の投資などでまかなう計画になっている。地方政府の中には目論見通りに資金を調達できず、プロジェクトが中断したり、銀行借り入れの返済に支障を来したりするケースが出ている。

 「“4兆元計画”の対象プロジェクトの多くは、完成に3年かかる。初年度の投資額は全体の10%程度だが、2年目には(建設工事が本格化するため)60%がつぎ込まれる。2010年分のプロジェクト資金を調達するため、地方政府には大変なプレッシャーがかかっている」。中国投資協会の会長を務める張漢亜はそう解説する。

税収を全部つぎ込んでも足りず

 実は、発改委は地方政府の資金調達難に配慮し、“4兆元計画”で中央政府が負担する資金の交付方法を改めている。類似のプロジェクトをまとめて手続きすることで、交付までの時間を短縮したり、地方政府に公共投資予算の変更を認めたりするなど、政策運用の柔軟性を高めた。

 それでも、地方政府の“金欠”状態は解消されていない。湖北省発改委のある関係者は、次のように打ち明ける。

 「目下最大の課題は、中央政府の資金が投じられるプロジェクトの予算の地方負担分をどうやってかき集めるかだ。2009年に新規着工したプロジェクトの中には、資金調達に行き詰まっている例も少なくない」

 こうした資金不足の裏側には、地元経済の発展を最優先する地方政府の“投資熱”がある。湖北省では、2008年末に中央政府が“4兆元計画”を発動するやいなや、2万6000件もの緊急重大プロジェクトがリストアップされ、投資計画の総額は8兆元(約108兆円)に上った。このリストは今年の第1四半期までに3万7000件に膨らみ、投資総額は12兆元(162兆円)を超える。

 飽くなき投資熱を象徴するのが、湖北省政府が掲げた「4つの1兆元」という目標である。全省の公共投資プロジェクトについて、新規の計画を毎年1万件以上、その投資総額を1兆元以上に保つとともに、毎年1兆元分以上のプロジェクトを計画段階から施行準備段階へ、同じく1兆元分以上を施工準備段階から施工段階へ進めるというものだ。

 湖北省政府の計画では、現在リストアップされている重要プロジェクトのうち半分前後が、これから2年以内に着工する。前出の湖北省発改委の関係者によると、2012年までに1万3000件の建設が始まり、約6兆元(約81兆円)の資金が必要になる。だが、そのうち1兆元(約13兆5000億円)は調達のメドが立っていないという。

 また、計画では総投資額のうち4300億元(約5兆8000億円)を湖北省政府の予算から投じることになっている。しかし、2009年度の省政府の税収は1532億元(約2兆700億元)に過ぎない。2012年まで計画通りに投資を続けるには、省政府の税収をそっくりつぎ込まなければならない勘定になる。

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