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受け身でなく、自らの意思で関係構築を

大事なのは信頼構築、普天間問題の解決の仕方だ

2010年5月20日(木)

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 日米関係にすきま風が吹いている。
 安全保障面はもちろん、経済面でも強く結びついてきた両国関係は、今後どうあるべきか。日米関係に詳しい識者、財界人に聞いた。

 3回目は、外務省で80年代から日米貿易摩擦問題に取り組み、安全保障面でも1996年の日米安保共同宣言策定で日本側責任者を務めるなど、外交官として対米関係の最前線を担ってきた田中均氏。外務省の論客としても知られた田中氏に、あるべき日米関係の在り方を聞いた。

田中均(たなか・ひとし)氏
1947年京都府生まれ。69年京都大学法学部卒業、同年外務省に入省。72年オックスフォード大学修士課程修了。79年米大使館赴任。北米2課課長時代に日米半導体交渉を、北米審議官だった96年に在日米軍普天間基地返還交渉を担当するなど対米関係の専門家として知られる。2001年以降はアジア大洋州局長として小泉純一郎首相の訪朝などを含め北朝鮮との交渉を担当。2005年に外務審議官を最後に退官、現在は財団法人日本国際交流センターのシニア・フェローとして執筆活動をしている。

 ――  米普天間基地移設問題を巡り日米関係がぎくしゃくしています。この問題をどうご覧になりますか。

 田中 民主党が政権を取ったのだから、従来の自民党政権の中で合意されてきた普天間基地の移設問題を検証して見直すこと自体、私はおかしいことだとは思っていません。腰を据えて、その在り方を見直したいというのは1つの考え方として成立しうるでしょう。ただ、その進め方は非常に重要だと考えています。

 その意味で現在の鳩山政権のやり方は、米国の日本政府に対する不信感を生んでいます。昨年からの一連の対応には、米国に対する甘えみたいなものが感じられて仕方ありません。何の負担もせずに、米国に要求だけするのは責任放棄に映る。米国が一方的に日本を守るということはあり得ない。

 外交には相手があります。通常の人間関係や企業間の関係と同様に、国家同士も、冷静な利益とコストの計算をして、それらをお互い均衡させながら関係を構築、維持していくものです。普天間基地問題においては、沖縄県民の感情や世論というステークホルダーを重視しなければならない理由は分かります。しかし、そのツケを米国に持って行くことは控えるべきではないでしょうか。

自分の意思で自分の責任を果たす、それが危機の乗り越え方だ

 中国、インドといった新興国が台頭してくる一方で、米国の力は経済的にも、政治的にもイラク戦争などを通じて衰えてきている。余裕のないオバマ政権としては物事を現実的に見ざるをえない。だから、同盟国諸国と協力して物事を進め、負担を同盟国にも引き受けてもらいながら民主主義が支配する世界を築いていこうというのが基本方針です。

 よって日本にも、責任ある国家として応分の負担が求められているわけです。

 国防の問題だけではありません。経済も同じです。応分の負担をすることで日米はこれまでも様々な危機を乗り越えてきました。

 ―― 確かに日米経済摩擦など、これまで多くの問題が発生しました。具体的にはどのように危機を乗り越えてきたのでしょうか。

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「受け身でなく、自らの意思で関係構築を」の著者

石黒 千賀子

石黒 千賀子(いしぐろ・ちかこ)

日経ビジネス編集委員

日経BPに入社後、英LSEに留学し修士取得。日経ビジネス、日経ナショナルジオグラフィック、日経ベンチャーを経て、2003年日経ビジネスに編集委員として戻る。主に、本誌の「世界鳥瞰」の欄を担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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