「坂田亮太郎のチャイナ★スナップ」

孫社長「誰にも『中国進出』のチャンスを」

日中ネット通販、相互接続の衝撃[2]

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2010年5月20日(木)

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 ヤフーショッピングと中国最大のネット通販サイトであるタオバオ(淘宝)が6月1日から相互利用できるようになる。日本の消費者はタオバオで販売されている商品を直接買えるようになり、中国の消費者もタオバオを介してヤフーショッピングの商品を購入できるようになる。

 通販事業者にとっても大きなビジネスチャンスとなる。とりわけ日本の業者にしてみれば、2億人以上のタオバオ利用者に販売できるメリットは大きい。

 そこで今回は、ヤフー会長でソフトバンク社長の孫正義氏のインタビューを掲載する。日本の小売り・流通業界に与えるインパクトやライバルとの差別化要因について聞いた。

(聞き手は坂田 亮太郎=日経BP社北京支局)

前回から読む)

  ――  今回の両社の提携が、日本の小売りや流通業に与えるインパクトはどうなりますか。

  日本経済は過去20年間、GDP(国内総生産)で見るとずっと横ばいが続いてきたしたよね。人口は増えないし、高齢化が進む。いろいろな意味で閉塞感が漂っています。

 一方でお隣の中国では人口も増えているし、世界一とも言うべき勢いで市場規模が拡大している。だから日本だけで見ると確かに市場は縮小しているけれど、お隣の中国市場も足して考えれば非常に大きなビジネスチャンスになるはずです。

ほぼ自動的に中国市場に進出できる

5月10日に中国浙江省の杭州で行われたヤフーとアリババの共同会見の様子。アリババのジャック・マー会長(左)とがっちり握手をした孫正義氏は「歴史的な1日」と上機嫌だった(杭州にて撮影)

 しかも日本企業のうち中国に進出している企業は全体の2%しかない。つまり98%の企業は中国に直接モノを売ったことがないのです。

 それが今後はヤフーショッピングに出店するだけで、ほぼ自動的に中国市場に進出できるということになります。しかも言葉だとか通関や配送といった、これまで中国市場を進出する上で障害となっていた手続き上の壁を我々が事実上取り払います。

 つまり、「中国進出」というビジネスチャンスが突然降ってわいたことになる。もちろん、そのチャンスをどれだけ生かせるかは出店している会社さん次第ですが…。

  ―― なるほど。人口減少が始まった日本は市場の縮小が止まらない。そんな悲観論が日本国内では渦巻いていますよね。けれど見方を変えて日本と中国の市場を併せれば、まだまだ成長は期待できると言うことですか。

 そう。世界中で一番急成長している。しかもボリュームもでかいマーケットと言えるんじゃないですか。

インターネットで商圏が中国にも拡大

  ――  今求められているのは、そのように考え方を変えるということなんでしょうね。しかも今まで壁となっていた言葉だとか貿易実務だとか、あるいは間に入っている商社への“高い”手数料だとか、そういう障壁はヤフーとアリババで取っ払う。だから日本の中小企業の皆さんは、どんどん中国市場に打って出てください。そういうことですね。

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著者プロフィール
坂田 亮太郎(さかた・りょうたろう)

日経BP社北京支局長。入社してから6年間はバイオテクノロジーの専門誌「日経バイオテク」で記者として修行、2004年に「日経ビジネス」に異動、以来、主に製造業を中心に取材活動を続けた。2009年から北京支局に赴任し現在に至る。趣味は上手とは言い難いがバドミントン。あと酒税の安い中国はビール好きには天国です。


このコラムについて

坂田亮太郎のチャイナ★スナップ

2009年に北京に赴任したばかりの中国“新米”記者が中国を駆けずり回り、見て、聞いて、感じたことをスナップ写真と共にコラムとして掲載していきます。1本の記事は「点」に過ぎないかもしれませんが、回数を重ねていくことで中国の今の「実像」を日本の読者に伝えられたら幸いです。

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