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スラムが舞台「黒いダイヤ」争奪戦

経済格差拡大が生む新・黒人中間層

2010年6月4日(金)

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南アフリカ共和国の概要(数字は2009年)

 6月11日から南アフリカ共和国で開幕するFIFAサッカーワールドカップ(W杯)。アフリカ大陸初となる大会に、世界中の熱い視線が注がれる。1994年の人種隔離(アパルトヘイト)政策終結後、南アフリカはグローバル化と資源価格高騰の追い風を受けて急成長を遂げた。今ではBRICsに次ぐ新興諸国の代表として国際社会で存在感を高めている。

 国内では激しい貧富の格差やインフラ不足、さらには高いエイズ感染率などの問題を抱えるが、アフリカ最大の経済大国となったこの国には、市場として、さらにアフリカ大陸への玄関口としての魅力がある。

 このコラムでは、この国で活躍する企業の姿を通じて、南アフリカのみならず、アフリカ市場を攻略するヒントを探る。第1回は、南アフリカにおける消費市場の今の姿を、現場からリポートする。

 FIFAワールドカップ(W杯)のメーンスタジアム「サッカーシティー」は、南アフリカの玄関口であるヨハネスブルクの郊外、ソウェト地区にある。この地は、アパルトヘイト時代に黒人居住区(タウンシップ)と定められ、貧しい黒人たちが住むスラム街だった。学生による大規模なデモ「ソウェト蜂起」が勃発し、反アパルトヘイトの震源地として歴史に名を刻んでいる。

 このスラム街が、今、急速に変わりつつある。経済成長の追い風を受け、ここ数年で台頭し始めた黒人中間所得層が住む新たなベットタウンへと変化し始めているのだ。

ソウェト地区の「マンデラハウス」周辺は観光地化している

 ソウェトには、ネルソン・マンデラ元大統領の家族が40年以上を過ごした家が、「マンデラハウス」として保存されている。ヨハネスブルクを訪れた観光客の多くが足を運び、2008年から改装工事が施されて昨年3月にリニューアル・オープンした。

 周辺の道路はきれいに舗装され、観光客相手のカフェが軒を連ねる。マンデラハウスの周囲には、ブロック塀で囲まれた家屋が立ち並ぶ。その様子は、さながら新興住宅街だ。スラム街の面影は、マンデラハウスに残された、かつての白人警察が発砲した銃弾の痕跡くらいしか見当たらない。

白人の消費力に匹敵する「黒いダイヤ」

 住宅街として整備が進むのは、ここが観光地化されているから、という理由だけではない。黒人の所得水準が上昇し、周辺でもちょっとした住宅ブームが起きているのだ。金融危機の影響でブームは下火になったものの、この傾向は今も続いているという。ケープタウン大学ユニリーバ研究所のジョン・シンプソン教授は、「これは、タウンシップで最近起きている興味深い変化だ」と指摘する。

 シンプソン教授らは、台頭する黒人所得中間層を「ブラックダイヤモンド(黒いダイヤ)」と名付け、南アフリカ経済を牽引する彼らの動向を調査してきた。シンプソン教授によると、数年前まではブラックダイヤモンドは、生まれ育ったタウンシップを捨て、白人たちが住む高級住宅街に移り住んでいたという。それが、彼らのステータスだった。

 しかし、最近は一度故郷を捨てた彼らが、タウンシップに戻ってきているという。古くからの近所付き合いを捨ててタウンシップを抜け出すより、居心地の良い環境を選ぶブラックダイヤモンドが増えているというのだ。

「南アフリカ 企業が挑むもう1つのW杯」のバックナンバー

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「スラムが舞台「黒いダイヤ」争奪戦」の著者

大竹 剛

大竹 剛(おおたけ・つよし)

日経ビジネス記者

2008年9月から2014年3月までロンドン支局特派員。2014年4月から東京に戻り、流通・サービス業を中心に取材中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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