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日本は変われない

知日派米国人からの直言

  • 水野 博泰

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2010年5月27日(木)

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 日米関係にすきま風が吹いている。

 安全保障面はもちろん、経済面でも強く結びついてきた両国関係は、今後どうあるべきか。日米関係に詳しい識者、財界人に聞いた。

 5回目は、ニューヨーク大学のエドワード・リンカーン教授。日米関係を安全保障ではなくビジネスの視点で語れる知日派の重鎮に、その日本観を聞いた。

(聞き手は、ニューヨーク支局=水野 博泰)

エドワード・リンカーン
米ニューヨーク大学日本経営経済研究所長
米エール大学で経済学および東アジア研究で修士号、同大で経済学博士号(PhD)を取得。1990年代半ばにはウォルター・モンデール大使の特別経済アドバイザーとして駐日米国大使館に勤務。中道系シンクタンクであるブルッキングス研究所、国際問題評議会(CFR)を経て2006年から現職。

 ── 日米関係の状態をどう見ていますか。

 リンカーン まず、プラス面、少なくともマイナスではないところから。

 私は日本財団の米国側顧問を務めていて、米国の大学から日本財団に提出される補助金申請の審査をする立場にあるのですが、申請数の多さに驚いています、去年は60以上の申請がありました。どの申請にも学部学生を対象とした日本語クラスを増やす計画が盛り込まれていて、教員を増やすための予算を求めているのです。

 つまり、日本について学びたいという興味は依然としてあるということです。中国への興味はもっと急速に高まっているのかもしれません。だからといって、日本への興味が著しく低下しているわけではないのです。もちろん、高校によっては日本語クラスの数を減らしているところもあるようですから、一概には言えません。

 30~40年前に比べて、日本は目立つ存在になっています。15年前よりは落ち着いたかもしれませんが、誰も日本のことなど気にかけていなかった1970年代に比べれば全く違います。

 次は悪い面。それは、日本が退屈な国になったことです。

日本にはニュースがなく、退屈なのです

 1970年代後半から80年代にかけて、米国にとって日本は「脅威」であり、学ぶべき「お手本」でした。「日本車を米国から締め出せ!」と叫ぶ人もいれば、「ワオ、産業政策は素晴らしい、米国も産業政策を打ち出すべきだ」と言う人もいました。極端でしたね。日本は「狡い」か「凄い」かでした。たくさんの議論が巻き起こり、新聞やテレビもたくさん取り上げました。

 80年代後半には日本はバブル経済の絶頂を迎えました。皇居の敷地が、カリフォルニア州の不動産全部よりも価値が大きいなどということが真顔で語られていましたよね。皆が驚きました。「どうなってるんだ!」とね。日本経済は年5%も成長し、不動産や株式市場は30%という高成長を続けていました。「ワオ!」と叫びたくなりますよ。

 そして90年代の「失われた10年」──。ニュースは一転して、日本の失敗を報じました。ビル・クリントン政権との間で緊迫化していた貿易摩擦問題に火がつき、一連の交渉を重ねる中で緊張が高まり、それがまた大きなニュースになりました。

 さて、1997年以降、何か起きたでしょうか。ずばり言えば、何もありません。日本に関するニュースは米国でほとんど報じられなくなりました。景気が回復したと思ったら、また後退し、また回復したと思ったら、デフレに突入…。政治も揺れ動きました。米国の新聞に載る日本の話題はめっきり減り、米メディアの東京支局は記者を減らして、中国に移しました。ますます、日本のニュースが米国に伝わらなくなりました。日本では素晴らしいことも、とんでもなく悲惨なことも起きない。ニュースがなく、退屈なのです。

 ── トヨタ自動車のリコール問題は久々の…。

 リンカーン そう、そう、そう、やっと日本の大ニュースが戻ってきた。私の所にもテレビや新聞の記者が来てインタビューをしていきました。残念ながら、また悪いニュースでしたが、米国人の多くが、「トヨタの品質をずっと信頼していたのに。いったい、どうなってしまったんだ」と驚き、戸惑ったのです。

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中村 克己 元ルノー副社長、前カルソニックカンセイ会長