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「ジャパン・ディッシング」の深層

叩き、外し、喪失、そして切り捨てへの力学

  • 水野 博泰

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2010年5月28日(金)

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 日米関係にすきま風が吹いている。

 安全保障面はもちろん、経済面でも強く結びついてきた両国関係は、今後どうあるべきか。日米関係に詳しい識者、財界人に聞いた。

 6回目は、米保守系シンクタンク、アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)のマイケル・オースリン日本部長。辛口の若手日本研究者として知られる。4月22日付けウォール・ストリート・ジャーナル紙(電子版)への寄稿では、米国が日本を無視する「ジャパン・ディッシング(日本切り捨て)」の時代に突入したと、鳩山政権を酷評した。バッシング(叩き)、パッシング(外し)、ミッシング(喪失)、そしてディッシング(切り捨て)へと変容する日米関係の行方を聞いた。

(聞き手は、ニューヨーク支局=水野 博泰)

マイケル・オースリン
米アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)日本部長
米ジョージタウン大学で国際関係論を専攻、インディアナ大学で修士、イリノイ大学で博士号(Ph.D.)を取得。2004年、エール大学で日米関係研究プロジェクトを立ち上げ。2005年には神戸大学の客員研究員。エール大学准教授を経て2007年から現職。

 ── 普天間問題についてどう見ていますか。

 オースリン 全くもって「不必要な危機」だと思います。

 鳩山政権が初期段階で合理的で適正な理由を示していたら、米国政府は普天間問題の見直しについてもう少し協力的になったと思います。しかし、その理由にはよほどの説得力がなければなりません。

 なにしろ、10年もの長い時間をかけて話し合いを重ね、ようやく現行案で合意したのです。あらゆる選択肢、あらゆる意見を検討した上で、キャンプ・シュワブへの移設しかないという結論を得たのです。

鳩山首相は普天間見直しの理由を一切示さなかった

 現行計画に致命的な欠陥があるのなら、米国側には修正を検討する用意があった。しかし、最大の問題は、鳩山由起夫首相が登場して、理由もよく分からないまま約束を反故にしようとしたことでした。

 実際、米国政府は当初、「日本が計画を見直すというのなら、話を聞く」という姿勢でした。歴史的な政権交代が起きて、これまでとは違う新政府が誕生したことの意味を米国政府はもちろん理解していますし、尊重もしている。これまでの政策を見直すことを頭から妨げてはいません。

 ところが、鳩山政権は、突然、「この計画を実行するのは嫌だ」と言い出したのです。少なくとも米国政府からはそう見えました。内政問題があるのは分かります。しかし、理由は明確に示されなかった。そんな状態では国家間の交渉は進められません。

 もちろん、米国側にも問題はあります。両国はお互いが言っていることに耳を貸そうとしていないからです。これは同盟関係にとっては大きな問題です。両国の意図が完全にすれ違っているのです。

 ── これは正常な同盟関係と言えるでしょうか。

 オースリン 我々は、依然として同盟国です。ただ意思疎通がうまくできていない。お互いがお互いの言うことを聞かなければ、名ばかりの同盟です。私は、米日は重要な同盟国だし、本当の意味でのパートナーだと思います。ただし、今回はそれがうまく機能しなかった。

 日本も米国も新政権になったことが一因でしょう。日本の新政権はやり方を変え、外交ルートを使おうとしなかった。我々がよく知っている外務省や防衛省の人たちを使わなかったのです。東京から何か声が聞こえてくるのだけれども、米国には日本が何を言いたいのか理解することができなかった。

全くもって「不必要な危機」だった

 繰り返しますが、最大の問題は、これが全く不必要な危機だったということです。

 いいですか。米国は日本に対して「俺たちの言うことを聞け」などとは言っていません。日本を主権国家として尊重しています。だからこそ、米日間で辛抱強く長い時間をかけて交渉を積み重ねた末に結論を出したのです。鳩山首相はこの半年間、なぜ現行案ではダメなのかを米国に対して説明する時間があったのに、結局、何の理由も提示しませんでした。

 「ここがいい、あそこなら…」と代替案を次々に出すだけで、なぜ現行案ではダメなのかを米国側には伝えていない。米国はかなり辛抱をしてきましたが、もう鳩山首相を信用していません。

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