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世界最大のEMSを揺るがす連続自殺事件

ひ弱で自尊心高い「90后」の若者たち、軍隊式経営に限界

  • 経済観察報

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2010年5月28日(金)

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“十連跳”悲劇:遅暮代工業与90后新生代的冲撞

経済観察報記者 廖傑華 李保華

5月21日未明、21歳の南鋼は深セン市郊外にある富士康(フォックスコン)*龍華工場のF4号棟屋上から身を投げ、地面にたたきつけられた。その瞬間、夜明け前の漆黒の闇が若者の命を飲み込んだ。午前4時50分のことだった。

*富士康はEMS(電子機器の受託製造サービス)世界最大手の台湾企業、鴻海精密工業(ホンハイプレシジョン)の主力子会社。アップル、デル、HP、ソニー、任天堂など有力ブランドの主力商品を数多く受託生産している。

 そして日が昇る頃には、工場の南正門の前にはいつもと変わらぬ人だかりができていた。富士康は新しい従業員を常時募集しており、職を求める出稼ぎ労働者が毎朝何百人も集まってくる。求職の列に並ぶ人々の中には、以前富士康で働いた経験のある者も少なくなかった。未明の衝撃的な「10人目の飛び降り自殺」も、彼らにはまるで他人事のようだった。

安い労働力が築いた“富士康帝国”

 過去半年の間に、富士康では10人の従業員が飛び降り自殺を図り、8人が亡くなり2人が重傷を負う悲劇が起きた*。背景には異なる2つの要因がある。

*この記事の中国語原文が配信された後も2件の飛び降り事件が相次ぎ、5月27日時点の死者は10人となった。

 第1の要因は、EMS(電子機器の受託製造サービス)業界の過当競争の中で、富士康の利益率が下がり続けていることだ。そんな中、富士康を率いる創業経営者の郭台銘は、苦境を克服するための最優先の経営課題として「スピード」を挙げる。つまり、彼は工場がより速いスピードでフル回転することを求めているのだ。

 一方、第2の要因は従業員の内面的な変化にある。中国には安い労働力がまだまだ存在するが、“富士康帝国”を支える低賃金労働者は既に「90后(1990年以降生まれ)」が主力になっている。それ以前の世代に比べると、「90后」の若者はひ弱な半面、高望みする傾向がある。このことが、富士康の粗暴な「軍隊式経営」に転換を迫っている。

 より人間的な労務管理や待遇の改善は、経営効率とは二律背反の関係にある。「従業員はいつも賃上げを望み、顧客にはしつこく値下げを迫られる」と、富士康のある台湾人幹部はこぼす。安い労働力と“鉄血式”の労務管理が築いた富士康の黄金時代は、徐々に輝きを失いつつある。

 だが、これは富士康だけの問題では決してない。これまでの中国の経済発展モデルと、新世代の労働者との間に、相容れない深刻なギャップが生じているのだ。

 「若者の自殺はインフルエンザのような伝染性を持っている。今回はたまたま富士康だったに過ぎない」と、この台湾人幹部は話す。

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