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世界最大級「指紋照合システム」がここに

国の重要インフラ支える NECの技術力と開拓力

2010年6月10日(木)

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 「内務省は、具体的な使い方をあまり教えてくれないんですよ」。そう冗談交じりで話すのは、NECの海外営業本部アフリカ担当の高木直由グループマネージャだ。NECは南アフリカ政府に、国民を管理するための指紋認証システムを納入している。データベースの規模は7000万人。紛れもなく、世界最大級の指紋認証システムである。

 当初は4500万人規模のデータベースでスタートしたが、今では南アフリカの人口をはるかに上回る規模になった。資源ブームで流入する移民を管理するのにも使われているからだ。

NECが南アフリカ政府に提供している指紋認証システム

 ほかの国でも空港や警察などで指紋認証システムが利用されている例はあり、シンガポールでは電子パスポートにも利用されている。しかし、国民を管理するためにこれほどの規模で指紋認証システムが利用されているのは、世界でも稀である。

公共サービスも携帯電話の契約もすべて指紋

 指紋が登録されているのは、16歳以上の国民に発行される「IDブックレット」という手帳。IDブックレットを政府が発行し始めたのは、アパルトヘイト終結後、国民が等しく公共サービスを利用できるようにするためでもあった。

 南アフリカでは、各種公共サービスを利用する際や、自動車購入からビデオのレンタル、携帯電話の契約まで、このIDブックレットが必要になる。

 ただし、かつては、書類ベースで指紋照合を実施していたために、認証手続きに時間がかかっていた。周辺国から流入する移民が、不正にIDを使い回したりする事例が後を絶たないことも、悩みの種だった。そこで政府は、2002年から指紋認証システムを導入し、一気に効率化を図ったのである。そのプロジェクトを受注したのが、NECだった。

 世界各国から13社が入札に挑み、NECは地場のシステム構築会社と組んで受注を目指した。NECの入札価格は、最後に残った5社の中では最も高かったが、高い技術力を評価されてプロジェクトを勝ち取ったという。

最先端技術の導入へ飛躍するアフリカ

 民主化後、16年しか経っていない南アフリカが、これほど大規模に先端のシステムを導入したのは、ある意味、必然だったかもしれない。国民を管理するインフラがアパルトヘイト時代には不十分だったがために、一気に指紋認証システムという最先端の技術を大規模に導入できたのである。

 先端技術の導入へと一気にインフラを更新する動きは、周辺国でも広がっている。例えば、ナミビアもNECの指紋認証システムを国民IDシステムとして採用した。ボツワナやジンバブエは、現在、紙ベースで管理しているが、将来的に指紋認証システムの導入に傾くかもしれない。

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「南アフリカ 企業が挑むもう1つのW杯」のバックナンバー

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「世界最大級「指紋照合システム」がここに」の著者

大竹 剛

大竹 剛(おおたけ・つよし)

日経ビジネス記者

2008年9月から2014年3月までロンドン支局特派員。2014年4月から東京に戻り、流通・サービス業を中心に取材中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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