いよいよ明日、6月11日から、史上初めてとなるアフリカ大陸におけるサッカー「FIFAワールドカップ」が開幕する。その舞台となるのは、南アフリカ共和国。また、急速に力をつけてきたコートジボワールやカメルーンなどアフリカ勢がどんな結果を残すかも気になるところ。まさに世界中がアフリカに注目する1カ月となる。
グループEに振り分けられた日本代表の第1ラウンドは、6月14日午後11時からのカメルーン戦に始まり、6月19日午後8時半からのオランダ戦、6月25日午前3時半からのデンマーク戦と続く(日時は日本時間)。
もっとも大会前の日本国内の盛り上がりは、前回のドイツ大会に比べて今一つだった感もある。それを示すのが旅行業界。今年3月から受付を開始した現地観戦ツアーが、開催1カ月を切った5月中旬の時点で募集定員の5〜7割しか埋まらぬ低調ぶりだったようだ。想定を超える集客数の少なさに、ツアーを企画した大手旅行会社は焦りを募らせたという。
残念ながら、国際舞台で目を見張るような活躍を残せない日本代表に対する期待の低さが影響しているのだろう。さらに加えて、アフリカに対する「遠い、高い、危ない」というイメージも見逃せない。日本からメイン会場があるヨハネスブルグまで片道が約20時間。旅行代金も40万〜50万円かかる。治安についても、日本の外務省が「可能な限り公共輸送機関の利用は避け、ダウンタウンには立ち入らないように」と注意を呼び掛けるほど。
「確かにメイン会場があるヨハネスブルクは危険な都市です。駅周辺を日本人が単独で歩けば、10分かからず強盗に遭うでしょう。ただ、こういったマイナスの情報ばかりが先走っている感もあります。本来の南アフリカは美しい風景溢れる観光立国です。そのほか、それぞれの国にたくさんの見所があります。危険地域だけに焦点が当てられた結果、アフリカ全土を危険地帯と見なされてしまう傾向にあるのは残念で仕方ありません」
そう語るのは、アフリカを専門とする旅行会社の道祖神(東京都港区)で代表を務める菊地優氏だ。

創業は1979年。サハラ砂漠を自動車で横断してアフリカの魅力にとりつかれた有志が、それを日本にも広げたいと設立した。菊地氏もそんな1人で、今も海外駐在員を含む従業員23人全員が生粋の“アフリカ好き”。設立当時は10人単位のディスカウントチケットを仕入れるのでさえ精一杯だったというが、現在ではリピーターの支持を多く集め、年間で約3500人が利用しており、年商16億円を売り上げる規模になった。
今回は菊地氏に、ワールドカップ出場国を中心に、旅行の視点からアフリカを聞いた。
“絵に描いたような格差”にあなたは何を思う?
南アフリカ共和国
とかくヨハネスブルグの治安の悪さが話題になる南アフリカ共和国だが、アフリカでは数少ない観光局を設置している国でもある。海外からの訪問客の誘致には積極的だ。今回のワールドカップでも、観光局とFIFAが合同で「Join the World Party〜ワールド・パーティーへ行こう」と題したウェブサイトでのグローバル・キャンペーンを展開した。例えば、応援メッセージの投票数が多かった国から計84人のサポーターを南アフリカへ招待するといった取り組みがあった。
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