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富豪たちの移民ブームが再燃

子弟の教育を海外で、国内の治安にも不安募る

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2010年6月7日(月)

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富人移民進行時

経済観察報記者 張宏/李麗/張斌

セントクリストファー・ネビスって、一体どこにあるんだ――? 今回の移民セミナーに参加するまで、劉青山はその国の名を聞いたこともなかった。美しいビーチの写真が印刷された案内状を片手に、世界地図の上を探すこと5分間、ようやく中米カリブ海にある小さな島国を探し当てた。

 劉青山は48歳。上海近郊でガラス製品の会社を経営している。従業員は200人余り、個人資産は数億元に上る。半信半疑の気持ちで移民セミナーの会場に入ると、彼は自分と同じ考えを持つ人がいかに多いかを知って驚いた。

移民セミナーは満員の大盛況

 300席ほどの会議室は満員で、脇の通路には豪華別荘の広告を吊るしたスタンドがずらりと並んでいた。価格は70万ドル(約6400万円)前後。セントクリストファー・ネビスに投資移民する場合の最低投資額は35万ドル(約3200万円)だから、これらの別荘の1軒を買って型通りの手続きと審査を終えれば、この国の国籍が手に入るのである。

 セントクリストファー・ネビスの国籍を取得するメリットは主に2つある。まず、同国はイギリス連邦の一員であるため、世界の先進国の多くで入国ビザが免除される。もう1つは、同連邦はタックスヘイブンであり、海外からの移住者に対して各種の税金が免除されることだ。

 劉青山にとって、移民は長年の願望だった。彼は今、それを現実のものにしようとしている。

 その一歩先を行くのが老李(「老」は年長者の姓の前につける敬称)である。昨年末、彼は妻と2人の息子とともにカナダに移住した。

 老李は44歳だが、実際の年齢より少なくとも十歳は老けて見える。建設業を皮切りに裸一貫から身を起こし、10年余りの苦労を経て、今や個人資産は3億元(約40億円)を超える。山東省で生コンクリート工場を経営する傍ら、広さ5000平方メートルのショッピングセンターを買収し、ほかにも小規模なIT(情報技術)企業を複数所有している。

 2年前、老李はまず17歳の長男をカナダのトロントの高校に留学させた。息子に会いに何度もカナダに行き、現地の気候や生活環境に触れるうちに、移住したいという気持ちが強くなった。

 「カナダの移民政策はすばらしい。しかるべき身分(国籍や永住権)を取得すれば、現地住民と同じ学費で高等教育を受けることができる。うちには2人の息子がいるので、これなら(移民にかかるコストを差し引いても)十分割に合う」。そう話す老李に、金持ちぶった様子は全くない。着ている服は質素で、自家用車も(高級車ではなく)普通のスバルだ。

コメント4件コメント/レビュー

16年前にカナダのバンクーバー、12年前にNZのオークランドにそれぞれ1年滞在しました。親切な方も多くとても暮らしやすい国々で、それぞれ駐在員の選ぶ暮らしやすい都市の上位を占める良い所でしたが、カナダもNZも仕事が無く、特にNZは仕事の無さに加え、丁度その時期にあったアジア経済危機が多数の台湾、香港そして韓国からの移民(母国にビジネスを残している人で生活に余裕がある人達)の帰国を促したようでした。事業をしていた訳ではなく、本当の意味で移民してきた人達(中国本土からの人が多かったようです)はローンを組んで買った家も小バブルが弾けかけていて売れませんでしたし、元の生活は相応に良かった人でも帰国せず残っていました。中国の経済成長に伴い、本土の人たちが昔の台湾や香港からの人達のようになっているのだなぁと今回の記事を読んで改めて感慨深く思いました。また、台湾からの移民の方で20代の新婚の方でしたが、4LDK以上あるきれいで大きな家を親に買って貰い暮らしているものの、言葉の壁が大きく旦那様はドーナツショップで店員さんをしていましたし、仕事が無い鬱憤の矛先がアジア人に向いているようで私も大通りで水風船を投げつけられた事もある状態でしたので、言葉の壁がある国での移民の難しさを感じました。でも、この流れはしばらく止まらないのでしょう。(2010/06/07)

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16年前にカナダのバンクーバー、12年前にNZのオークランドにそれぞれ1年滞在しました。親切な方も多くとても暮らしやすい国々で、それぞれ駐在員の選ぶ暮らしやすい都市の上位を占める良い所でしたが、カナダもNZも仕事が無く、特にNZは仕事の無さに加え、丁度その時期にあったアジア経済危機が多数の台湾、香港そして韓国からの移民(母国にビジネスを残している人で生活に余裕がある人達)の帰国を促したようでした。事業をしていた訳ではなく、本当の意味で移民してきた人達(中国本土からの人が多かったようです)はローンを組んで買った家も小バブルが弾けかけていて売れませんでしたし、元の生活は相応に良かった人でも帰国せず残っていました。中国の経済成長に伴い、本土の人たちが昔の台湾や香港からの人達のようになっているのだなぁと今回の記事を読んで改めて感慨深く思いました。また、台湾からの移民の方で20代の新婚の方でしたが、4LDK以上あるきれいで大きな家を親に買って貰い暮らしているものの、言葉の壁が大きく旦那様はドーナツショップで店員さんをしていましたし、仕事が無い鬱憤の矛先がアジア人に向いているようで私も大通りで水風船を投げつけられた事もある状態でしたので、言葉の壁がある国での移民の難しさを感じました。でも、この流れはしばらく止まらないのでしょう。(2010/06/07)

SARSのときに、カナダとアジアの意外に深い結びつきが明らかとなりました。日本からもカナダやオーストラリアに移住したいものです。大橋巨泉みたいですね。(2010/06/07)

空気が水が汚い、きれいなところを求めて国外に逃げ出す。いい方法です、それしかないのですから。日本企業が発展途上国に社員を出す時、リスク保障費を出すそうです。例えばワースト1はいくら、ワースト2はいくら、というように。私が住む中国でも然り。お金持ちは儲けたら母国にさようなら、は理屈です。でも、彼らが道徳的善良さを持ち合わせているなら、自分たちが汚した空気や水をもとに戻す努力を海外からでもいいからしてほしい。刺されることも減るでしょう。(2010/06/07)

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