David Bogoslaw (Bloomberg Businessweek、投資欄記者)
米国時間2010年5月28日更新 「Online Investing Tools Refine the Personal Touch」
80年に一度の深刻な金融危機で投資者心理が冷え込んでから、1年が過ぎた。だが今度は、欧州の財政危機が各国に飛び火する懸念や、不安定さを増す市場への不安が高まり、投資に対する心構えを改めて引き締めることの必要性が痛感されている。投資家や消費者にとっては、家計管理や個人年金の運用に関して、実践的な手法を取り入れるのが賢明だろう。
自分に合った資産運用を望む人向けのオンラインツールは数多くある。Bloomberg Businessweekは個人投資家向けのオンラインツールや技術の最新動向を調査し、9つのウェブサイトを検証した(Bloomberg Businessweekのスライドショーを参照:2010年5月26日「Investing: Sizing Up Online Tools」)。
検証したサイトは、投資ポートフォリオのアクティブ運用や資産配分の助言、株式市場の分析、家計管理などの様々な分野で、それぞれ独自の強みを持っている。こうした分野で、より上手に資産管理をしようと取り組む人が確実に増えている。
投資支援サイト「カチン・ドット・コム(kaChing.com)」では、アクティブ運用志向の投資家向けに、プロの投信運用担当者16人の投資術を提供している。口座を開設できる最低限度額はわずか3000ドル(約27万円)で、こうしたプロが所属する資産運用会社の一般的な口座開設の最低限度額50万ドル(約4600万円)と比べ、はるかに少額だ。取引手数料も、運用担当者の投資モデルを参照する顧客全員で手数料を案分するため、極めて低い額に抑えられる。
カチンに登録されたプロの運用担当者は、掲げた投資方針にどれだけ忠実か、リスク調整後の投資リターン(持ち分の投資実績を個別に評価)や投資戦略の健全性などに応じ、「投資IQ」という値で評価される。カチンの登録運用担当者となるには、1〜200の投資IQ評価で、最低140の評価を得なくてはならない。
カチンの共同創業者のアンディ・ラクレフCEO(最高経営責任者)は、同社の運用担当者に対する評価方法は、四半期内のポートフォリオの動きを公開しない投信運用会社の情報開示と比べ、はるかに画期的だと胸を張る。
5つ星ファンドの問題点
「透明性が欠如していては、説得力のある評価システムを構築できない。透明性がない中では、投資信託の運用能力を評価する方法は過去の投資実績しかないが、それは将来の投資リターンを判断する材料にはならない」(ラクレフCEO)
ラクレフCEOによれば、投信ファンドは米投信情報会社モーニングスター(MORN)から5つ星評価を受けると、運用成績が市場平均並みになったり、平均を下回ることが多くなるという。モーニングスターの最高評価を得て膨らんだファンドの資産を運用し、かつ既に保有している銘柄の持ち株比率が5%を超えないようにするには、運用担当者が最も投資したい銘柄以外にも投資せざるを得ないからだ(上場企業について持ち株比率が5%を超えると、米証券取引委員会=SEC=に対し、より詳細な情報開示を義務づけられる)。
カチンの運用担当者に対する手数料は、平均すると投資家のポートフォリオ価値の1.25%で、その4分の1はカチンに支払われる。投資家はほかにも取引手数料を支払うが、口座金額1万ドル(約91万円)当たりの平均手数料は1回の取引につき70セント(約64円)で、米オンライン証券最大手チャールズ・シュワブ(SCHW)をはじめとするオンライン証券会社の平均手数料7〜10ドル(約640〜910円)に比べて格安だ。
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