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悲惨なことは何も起きていない

ロシアの著名エコノミストが語る“危機”の本質

2010年6月16日(水)

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 昨年、ロシアが経済危機に陥ったのは、原油やガスなどのエネルギー依存体質が大きな要因の1つ言われる。原油価格の上昇がロシアの経済成長を加速させていたというのが、一般的な見方だろう。

 だが、ロシア最大の独立系投資銀行トロイカ・ディアローグのチーフエコノミスト、エフゲニー・ガブリレンコフ氏は、その見方に異を唱える。ガブリレンコフ氏に、昨年起きた“危機”の本質を聞いた。

(聞き手は大竹剛=日経ビジネス・ロンドン支局)

 ―― 昨年、経済成長率はマイナス7.9%まで急落し、ロシア経済は極めて深刻な状況に陥りました。その一方で、危機のイメージが誇張され過ぎているという意見もあります。どちらが正しい見方なのでしょうか。

トロイカ・ディアローグのチーフエコノミスト、エフゲニー・ガブリレンコフ氏

 ガブリレンコフ まず、一般的に西欧のメディアは、ロシアについてはほとんどポジティブなことを書きません。しかし、ロシアのすべてが悪いと考えるのは大きな間違いです。

 私も、ロシアが理想的な国だとは言いません。たくさんの経済問題や汚職があることは事実です。しかし、それと同様に良い出来事も起きています。経済について言うならば、昨年の危機の最中、悲惨なことは何も起きなかったと考えてよいでしょう。

原油価格に関係なく成長可能

 ―― 悲惨なことは何も起きていないとは、具体的にはどういうことでしょうか。

 まず、原油価格(ウラル原油)が1バレル20~30ドルだった2000~03年、ドルベースの名目GDP(国内総生産)は5000億ドル以下でしたが、原油価格が90ドルを超えた2008年には1兆6500億ドルに達しました。

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 このドルベースの名目GDPの伸びから判断すれば、原油価格の上昇が経済成長を加速させたように見えます。しかし、実際にはそうではありません。実は、ロシア通貨ルーブルの価値が上昇したことで、見掛け上、原油価格が経済成長を加速させたかのように見えているだけです。

 経済成長率(実質GDPの伸び率)と原油価格の関係を示した、このグラフを見てください。2000年前後の経済成長率と、2007年までの数年間の経済成長率を比較した際、その力強さはほとんど同じです。この間に原油は大幅に上昇していますが、経済成長率はほとんど変わっていないことが見て取れます。

海外からの借金が消費バブルを生んだ

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 原油価格の高騰はルーブルを上昇させ、海外からの借り入れを急増させました。その海外からの借金が、国内需要を過熱させたことは見逃せません。

 対外債務の対GDP比と小売業の売上高の伸びの関係を示したグラフを見てください。2006年以降、対外債務の対GDP比が急速に増えるとともに、小売業の売り上げも増えていきました。一方、金融危機の後に借り入れがストップすると、消費は収縮せざるを得なかった。まさに消費バブルが起きていたわけです。

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「悲惨なことは何も起きていない」の著者

大竹 剛

大竹 剛(おおたけ・つよし)

日経ビジネス記者

2008年9月から2014年3月までロンドン支局特派員。2014年4月から東京に戻り、流通・サービス業を中心に取材中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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