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米国史上最長の戦争はいまだ先が見えず

2010年6月16日(水)

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カルザイ大統領はなぜ2人の治安担当閣僚の首を切ったのか

 アフガニスタンのカルザイ大統領が、2人の治安担当閣僚を首にしたことで、米国の対アフガン作戦はさらに先行き不透明な状況に陥っている。

 6月6日、カルザイ政権の内務大臣ハニフ・アトマル(Hanif Atmar)と同国情報機関のアムルラ・サレハ(Amrullah Saleh)長官が辞職したことが明らかになり、米軍や北大西洋条約機構(NATO)関係者を驚かせた。

 2人ともカルザイ氏が大統領に就任した2002年以来、同大統領に仕えてきた閣僚であり、アトマル大臣はこれまでに3つの閣僚ポスト、サレハ長官は2004年以来、アフガン・インテリジェンス機関のトップをつとめてきた。両者共に西側政府の信頼が厚く、エイケンベリー駐アフガニスタン米大使は、両者のことを「世界レベルの政治家だ」と称賛していた。

 とりわけアフガン情報機関は、CIA(米中央情報局)がこのサレハ長官と二人三脚で築き上げてきたものであり、同長官は米政府のアフガニスタンにおける目と耳の役割を果たしてきた。

 カルザイ大統領とサレハ長官は、カルザイ政権が進めるタリバンとの和解交渉をめぐり、拘束中のタリバン指導者をどこまで釈放するか、という問題で衝突していたと言われている。カルザイ大統領はタリバンとの和解を早急に進めるため、より多くの重要なタリバン拘束者を早く釈放しようと考えているのに対し、米国やサレハ長官はより慎重に考えてカルザイ大統領にストップをかけていた。

 『ニューヨーク・タイムズ』紙によれば、最近カルザイ大統領の閣内における孤立がますます深まっており、同大統領はタリバンを新たな同盟者と考えてタリバンとの和解交渉を急いで進めようと焦っていたという。つまり、オバマ政権が慎重にタリバンとの和解交渉を進めようと考えているのに対し、焦るカルザイ大統領は一気にタリバンとの交渉を進めるために、自分に逆らうサレハ長官の首を切ったのではないか、というのである。

怖くて米主導のプロジェクトに参加できない

 こうした中、マクリスタル駐アフガン米軍司令官が、正式にカンダハル作戦を遅らせることを発表している。

 「私は急ぐ必要はないと思っている。実際に行動するのに数カ月がかかるが、それは必ずしも悪いことではない。早く行うこと以上に、それを正しく行うことが重要なのだ」

 こう述べた同司令官は、カンダハル作戦を実施するために不可欠な、地元指導者たちの協力を得るのに予想以上に時間がかかっていることを認めた。昨年開始したヘルマンド県マルジャでの海兵隊の作戦は、いまだに期待された効果を出しておらず、「マルジャすら平定出来ないでカンダハル作戦などできない」という結論が出され、カンダハル作戦の延期が決まったのだという。

 そのマルジャでは、数千名の海兵隊に加え、特殊部隊のチームも入って地元の若者を組織して治安組織を作るなど、タリバンの脅威から住民を守るためのさまざまな工作活動が展開されているが、タリバンの巧妙な暗殺、脅し作戦により、米政府に協力するマルジャ市民が現れずに困っているという。

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「米国史上最長の戦争はいまだ先が見えず」の著者

菅原 出

菅原 出(すがわら・いずる)

ジャーナリスト/国際政治アナリスト

アムステルダム大学政治社会学部国際関係学科卒。在蘭日系企業勤務、ジャーナリスト、東京財団リサーチフェロー、英国危機管理会社役員などを経て、現在、国際政治アナリスト

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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