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“最後の宣伝マン”、スティーブ・ジョブズ氏の凄さ

「人々はアップルを信頼し、ジョブズ氏を信頼している」

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2010年6月21日(月)

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Devin Leonard
米国時間2010年6月10日更新 「Commentary: The Last Pitchman

 米国が独自に生んだ“芸術”は3つある。ジャズと野球、そして効果抜群のマーケティング活動だ。“広報宣伝の父”を自認するエドワード・バーネイズ氏は、精神分析学者ジークムント・フロイトの甥にあたるオーストリア生まれの人物だが、その才能が開花したのは、1929年のニューヨークでのことだった。タバコという“自由の炎”を手にした女性たちにマンハッタンの五番街を行進させ、女性の喫煙は“格好いい”というイメージを広めることに成功したのだ。

 現在、米国のマーケティングの帝王と言えば、もちろん米電子機器大手アップル(AAPL)のスティーブ・ジョブズCEO(最高経営責任者)だ。同氏は先日、バーネイズ氏にならったかのように、同社のタブレット機「iPad(アイパッド)」を自由や解放のための武器になぞらえた。5月にIT(情報技術)系サイトの記者とやり取りしたメールの中で、iPadは「個人情報を盗むプログラムからの解放」「バッテリーを食いつぶすプログラムからの解放」「ポルノからの解放」だと述べている。

 ジョブズ氏は、バーネイズ氏の真の末裔と言っていいだろう。同氏は、多様化した米国の大衆の好奇心を自社の新製品に一気に引きつけることのできる、偉大なる最後の宣伝マンだ。新製品は秘密のベールに包んでおき、世間の注目を浴びるイベントを周到に準備して大々的にお披露目するなど、同氏は強いこだわりを持つことでも知られる。

 だがこの4月、同社の若きエンジニアが、発表前の新型スマートフォン(多機能携帯電話)「iPhone 4(アイフォーン4)」の試作機をカリフォルニア州レッドウッドシティーのバーに置き忘れるという事態が発生。その後米IT系大手ブログ「Gizmodo(ギズモード)」がこの試作機を入手し、薄型の本体、高解像度の画面、友人とテレビ電話を楽しめる正面向きのカメラなど、主な新機能をスクープした。これでジョブズ氏には隠し玉がなくなってしまった。

 ところが、いざ蓋を開けてみたらどうだろう。サンフランシスコのモスコーンセンターで6月7日に開催されたiPhone 4の正式発表イベントは、魔法のオーラに包まれていた。ジョブズ氏は、「既にご覧になった方がいたら発表を止めようか」と、ギズモードの件をチクリと皮肉ってから、「これまでで最も精密で美しいデザイン」と自賛するiPhone 4の特徴を紹介していった。途中、Wi-Fi(ワイファイ)の無線通信がつながらなくなるハプニングも起きたが、問題にはならなかった。敏腕セールスマンは誰でもそうだが、製品を動かすより、人の欲望を動かす方がはるかに重要なことを、ジョブズ氏は心得ているのだ。

 現代の新製品発表の手法は、ジョブズ氏の創案ではない。新作の製作と宣伝が絶え間なく繰り返される映画の都ハリウッドで、はるか昔に明らかになったことがある。大衆は移り気だが、その欲求をかき立てるのは可能だということだ(口コミを操るのに比べたら、気難し屋で知られるニュージーランド出身の俳優ラッセル・クロウを操る方がよっぽど簡単だ)。

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