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中国で労働争議が急増

「格安の人件費の時代はもう終わった」

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2010年6月22日(火)

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Dexter Roberts (Bloomberg Businessweek北京支局長、アジアニュース担当エディター)
米国時間2010年6月10日更新 「The Rise of a Chinese Worker's Movement

 中国・北京周辺のごくありふれた郊外地が、このところ、急進的な政治活動の舞台となっている。労働者のアーティスト集団「新工人芸術団」は先日、あるイベントを開催。最近自殺した台湾系EMS(電子機器の受託製造サービス)世界最大手フォックスコン(富士康)の中国工場従業員の写真を掲げ、厳しい生活を強いられている電子機器工場の出稼ぎ労働者をたたえる詩をささげた。新工人はギターやハーモニカなどを演奏して、「極限生活」「工業地帯」「仕事は我らの栄光と悲惨」「賃下げへの抵抗」「連帯闘争」といった曲を歌い上げた。

 会場に集まった100人ほどの出稼ぎ労働者の多くは、北京近郊の小さな家具工場で働く労働者で、涙を流している聴衆もいた。イベントの最後には、観客総立ちで世界的な社会主義労働歌「インターナショナル」の中国語版「国際歌」を熱唱した。

 5月28日の晩、2時間以上に及んだこのイベントに参加した米ハワイ大学の政治学者エリック・ハーウィット氏は、「抗議の意欲に満ちた雰囲気だったが、露骨な政府批判は見られなかった。出稼ぎ労働者の労働条件改善を真摯に訴えている印象だった」と語る。

 北京近郊で先日行われたこのイベントは、中国各地で最近目立つようになった労働運動のほんの一例だ。ここ数週間にわたり、フォックスコンやホンダ(HMC)の中国工場で激しい抗議活動が繰り広げられている。新工人のようなグループのほか、様々な大学の法律支援などの活動組織や、労働者の権利擁護に取り組む法律事務所、出稼ぎ労働者支援団体なども活動に乗り出している。

 中国の民間シンクタンク、世界与中国研究所(北京)の李凡(リー・ファン)所長は、「市民団体の影響力が大きくなっている。こうした団体が中国国内の変革を促していくだろう」と語る。李所長は、草の根の民主化推進団体や労働団体との連携を図っている。

 今後の焦点は、こうした市民グループの動きが、工場主に対する労働団体や国民の全国的な抗議活動にまで発展するかどうかだ。数年前まで、中国当局は散発的な労働争議が起こっても、少数の指導者を逮捕し、残りの活動参加者に活動の中止を働きかけて、抗議活動を比較的簡単に鎮圧できた。特に中国公安当局は、深圳やハルビンなど各地の労働運動指導者が互いに結束して、抗議活動が全国規模に発展するのを徹底的に阻止してきた。

ネットが支える、若い労働者の抗議活動

 だが、現在の若い労働者の抗議活動は、以前ほど簡単には押さえ込めないと思われる。今や中国の携帯電話利用者は7億8700万人に上り、インターネット利用者は3億4800万人に達している。20代の出稼ぎ労働者らは、世界情勢について親世代と比べてはるかに多くの情報を得ている。今の若い世代は、中国東北部の遼寧沿海経済ベルトや中国南部の珠江デルタなど、様々な地域での労働運動の状況を知っている。

 出稼ぎ労働者のメディア活用動向を調査している中国社会科学院(CASS)の卜衛(ブー・ウェイ)教授(ジャーナリズム学)は、「現代の若い労働者は、情報を活用する力を持っている。携帯電話を使って連絡を取り合い、写真やビデオを送受信し、情報をネットに掲載できる」と指摘する。

 権利意識を強める若い労働者の追い風となっているのは、2008年に公布された労働契約法による法規制強化について、中国国営メディアが啓発に力を入れていることだ。そのため、若手労働者らは、倍の時間外手当や安全な労働環境など、自分たちに与えられる権利をより深く理解している。

コメント3件コメント/レビュー

中国での事業のリスクは、労働闘争リスクや賃金上昇リスクの他、環境リスク(垂れ流している公害を修復する必要性)、為替リスク(人民元切り上げが始まった)、政治リスク(法律がすぐに変わる)、インフラリスク(停電や水不足が今後深刻化)、エネルギーリスク(エネルギー効率が悪いため原油高騰等に脆弱)、暴動リスク(暴徒の標的になる可能性)、人材および知的財産流出リスク(せっかく育てた人材が知的財産と共に容易に他社に行ってしまう)が挙げられます。日本での事業ならば、為替リスク以外のリスクは極めて小さいといえます。人件費の安いベトナムやインドに行っても、遅かれ早かれ中国と同じことになります。中国進出の企業さん、最近は日本人労働者賃金も相対的に安くなってきましたし、法人税の引下げももはや時間の問題となってきました。そろそろ日本への帰還も検討してみてはどうですか。(2010/06/22)

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中国での事業のリスクは、労働闘争リスクや賃金上昇リスクの他、環境リスク(垂れ流している公害を修復する必要性)、為替リスク(人民元切り上げが始まった)、政治リスク(法律がすぐに変わる)、インフラリスク(停電や水不足が今後深刻化)、エネルギーリスク(エネルギー効率が悪いため原油高騰等に脆弱)、暴動リスク(暴徒の標的になる可能性)、人材および知的財産流出リスク(せっかく育てた人材が知的財産と共に容易に他社に行ってしまう)が挙げられます。日本での事業ならば、為替リスク以外のリスクは極めて小さいといえます。人件費の安いベトナムやインドに行っても、遅かれ早かれ中国と同じことになります。中国進出の企業さん、最近は日本人労働者賃金も相対的に安くなってきましたし、法人税の引下げももはや時間の問題となってきました。そろそろ日本への帰還も検討してみてはどうですか。(2010/06/22)

「中国人は常に複数の旗を持っている」という満州国時代の教訓が全く生かされていませんね。(日本の帝国主義を非難する人は、知ってて知らせないのか?)中国人の横のつながり、すなわち結社の力はインターネットのはるか前から、それこそ中国4000年の知恵と言えます。【日本企業が弱くなれば、「労働争議旗」を掲げる】満州国が滅びると共に、中国人の民家で「国民党旗を掲げようか、共産党旗を掲げようか」と、常に旗の用意を怠らない中国人の「横の情報網」の強さ。70年前の教訓をなぜ生かせないのか。(2010/06/22)

数年前から賃上げが顕著なのは新聞報道でも判っていること。有名企業は別の国に工場を移転させるだけで解決できるはずですが。(2010/06/22)

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